沖縄県米軍嘉手納基地内で2001年以降、泡消火装置の誤作動や民間地域への流出が相次いでいることが、英国人ジャーナリストのジョン・ミッチェル氏による情報公開請求で分かった。昨年5月には発がん性物質が流出したが、日本側には通報されなかった。

格納庫から流出した泡消火剤で地面と車が覆われた。情報公開制度で入手した写真=2013年12月4日、嘉手納基地(ジョン・ミッチェル氏提供)

排水溝に流れる泡消火剤。情報公開制度で入手した写真=2013年12月4日、嘉手納基地(ジョン・ミッチェル氏提供)

格納庫から流出した泡消火剤で地面と車が覆われた。情報公開制度で入手した写真=2013年12月4日、嘉手納基地(ジョン・ミッチェル氏提供) 排水溝に流れる泡消火剤。情報公開制度で入手した写真=2013年12月4日、嘉手納基地(ジョン・ミッチェル氏提供)

■民間地に流出も日本側に通報せず

 米軍嘉手納基地で昨年5月、発がん性物質を含む泡消火剤が民間地に流出していたことが分かった。原因は酒に酔った海兵隊員が、格納庫内の消火装置を起動したことだった。ジョン・ミッチェル氏が情報公開制度で内部文書を入手した。

 消火剤は「JET-X2・75%」と呼ばれるタイプで、がんのほか神経や生殖機能の障がいをもたらす可能性がある。1500リットルが誤噴射され一部は基地外にも流出したが、日本側には通報しなかった。

 米軍は当初、消火剤を無害だと誤認。流出が夜間だったため「消火剤は朝までに散ってしまい、大勢の注意を引くことはない」と書いた電子メールもあった。一方、海兵隊員の行動は「蛮行」と非難していた。

 同じ消火剤の誤噴射は他に少なくとも4回あり、やはり日本側に通報しない事例があった。嘉手納基地周辺の水源で検出され問題化している残留性有機汚染物質の有機フッ素化合物PFOS(ピーホス)はこの消火剤には含まれていない。違うタイプの消火剤は2001年、12、13、14年に計2万リットルが誤噴射され、PFOSを含む可能性もある。

 ミッチェル氏は内部文書に基づき英字紙「ジャパンタイムズ」に記事を寄せた。「米軍の安全管理には大きな問題がある。環境補足協定に基づき県の立ち入り調査に協力し、水源汚染の可能性について真実を明らかにすべきだ」と指摘した。