【浦添】空き缶のプルタブを2千個集め、リボンを通してのれんを作ったという女性に出会った。浦添市大平の平安名康(やす)さん(77)。出来上がったのれんはズシリと重く、揺れるとプルタブ部分がキラキラ光る。「つぼとか香炉とか、骨董(こっとう)ばかり飾ってあるこの家には全然合わないんだけれどね」。せっかくの力作だが、インテリアとしては浮いているという。(浦添西原担当・平島夏実)

プルタブでのれんを作った平安名康さん=浦添市大平

 平安名さんは毎年2月の市老人クラブ連合会主催の作品展に向けてアイデアを練る。孫育てを終えて70歳の時に地元の大平明友会に入会。6年前から毎年出品している。

 作品はどれもコツコツ作る“地道型”だ。例えば昨年はベッドカバーを編んだ。25センチ四方の基本形を計70個作ってつなげたという。おととし仕上げたカーペットは、毛糸約1万本を一本一本差して切りそろえることを繰り返した。

 「テレビを見たりして合間にやってるだけよ」。平安名さんは涼しい顔だが、いろいろなサークルを掛け持ちしているため1週間の予定はぎゅうぎゅう。月曜は体操、火曜は手話ダンス、水曜は民舞、木曜はボウリングといった調子で、土日は老人会の定例会やグラウンドゴルフに足を運ぶ。

 ただ「ことしの作品展は何を出すの?」と周囲に聞かれるとじっとしていられないという。空き缶を眺めていた時、たまたま手元にあったひもがプルタブにちょうどよく通ったため、のれん作りを思い付いた。プルタブは娘の山川徳子さん(45)が勤め先に呼び掛けて集めてくれたという。

 夫の常由さん(80)はというとビールはほとんど飲まず、盆栽仲間と缶入りのさんぴん茶をすする程度。康さんは「プルタブを缶から外すのもやってくれなかった」と笑う。

 「お互いに干渉しない。すごいねって見守るのが私たち夫婦だから」。地震があると常由さんは自慢の骨董品に駆け寄り、康さんは「私は2番目なのね」と忍び笑いする。100鉢以上ある盆栽を台風前にしまうのがあくまで常由さんなら、3カ月かけて出来上がったプルタブののれんをどこに飾るか決めるのが康さんだ。