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  • 辺野古代執行訴訟で県が暫定和解案に前向きな姿勢を示した
  • 工事を停止した上で県と協議するよう求める内容だが国は難色
  • 翁長知事は尋問で「敗訴確定なら司法判断に従う」と述べた

 普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古の新基地建設で、国が翁長雄志知事を訴えた代執行訴訟の第4回口頭弁論が15日、福岡高裁那覇支部(多見谷寿郎裁判長)であった。被告の本人尋問で、翁長知事は「埋め立て承認は法的瑕疵(かし)があり、新基地建設は決して容認できない」と主張した。弁論後の会見では、裁判所から示された和解案の「暫定案」について前向きに検討する姿勢を示した。国側は同案について否定的な見解を示している。

辺野古代執行訴訟で福岡高裁那覇支部に入廷する翁長雄志知事=15日午後1時41分、那覇市樋川

代執行訴訟で裁判所が勧告した和解案(暫定的解決案)

知事本人尋問 骨子

辺野古代執行訴訟で福岡高裁那覇支部に入廷する翁長雄志知事=15日午後1時41分、那覇市樋川 代執行訴訟で裁判所が勧告した和解案(暫定的解決案) 知事本人尋問 骨子

 沖縄県側の竹下勇夫弁護士は翁長知事への主尋問で、取り消し処分を下した経緯を尋ねた。翁長知事は「新基地建設反対の公約を実現するため、第三者委員会の結論を踏まえて取り消しを決めた」と述べた。

 米軍基地に反対する住民と基地による振興を重視する住民が対立した沖縄の歴史に触れ、「押し付けられた基地をはさんでやりあうむなしさがある。保革を乗り越えて県民の心を一つにしたい」と思いを語った。

 また、辺野古を候補地とするにあたり「当時の稲嶺恵一知事は軍民共用空港とすること、15年の使用期限を設けることを前提条件にしていたが、小泉政権時の閣議決定で一方的に白紙にされた」と主張。沖縄の米軍基地は沖縄の経済発展にとって最大の阻害要因だと語り、日米安保を理解しつつも「沖縄の基地負担は過剰だ」と訴えた。

 国側の代理人は知事への反対尋問で「代執行訴訟で県側の敗訴が確定したら、取り消しを取り消すのか」と質問。知事は「行政の長として司法判断に従う」と述べた。

 県側の加藤裕弁護士は弁論後の会見で、裁判長が出した「暫定的」和解案は(1)国は代執行訴訟と行政不服審査法による審査請求を取り下げ、埋め立て工事をただちに停止(2)国と県は違法確認訴訟などの他の手続きの判決まで円満解決に向けた協議を行う(3)別訴訟の判決が出た場合、国と県は結果に従う-との内容だと明らかにした。

■係争委不服訴訟 29日結審

 名護市辺野古の新基地建設で、翁長雄志知事の出した埋め立て承認取り消しをめぐり、石井啓一国土交通相が出した執行停止決定の取り消しを求め、県が国を提訴した「係争委不服訴訟」の第1回口頭弁論が15日、福岡高裁那覇支部であり、多見谷寿郎裁判長は次回期日の29日に結審させる意向を示した。

 多見谷裁判長は冒頭、主張に釈明などを求める必要性を「感じない」と説明。これに対し、県・国双方から大きな異論は出ず、お互いに反論する際には24日までに書面を裁判所へ提出する方向で一致した。

 県が国交相の執行停止決定に「違法な国の関与」だと指摘しているのに対し、国は行政不服審査法に基づく停止決定は「国の関与にあたらない」と主張し、訴えを退けるよう求めている。次回は代執行訴訟の第5回口頭弁論と同じ29日の午後1時15分から始まる。