沖縄県内で育児休業制度を導入している事業所は2014年度時点で49・1%と5割にも満たないことが16日までに県の調べで分かった。従業員数30人以上の事業所は90%以上が整備されていたが、今回、県が初調査した5人未満の事業所は23・4%と大きな差があった。1995年に全事業所に義務化されて約20年。いまだに整備が進まず、育休取得できずに退職に追い込まれれば、貧困に陥る恐れがあることも浮かび上がった。(デジタル部・與那覇里子)

育休制度のある企業の割合

育休整備の有無

公園で遊ぶ親子=12日午後、那覇市

育休制度のある企業の割合 育休整備の有無 公園で遊ぶ親子=12日午後、那覇市

 調査は抽出した県内1万5969事業所を対象に実施。2619事業所から回答を得た。回答率19・3%。

 育休導入は、従業員数が30~99人で91・0%、10~29人で65・5%、5~9人で47・9%と、事業所の規模が小さくなるほど、導入割合が低かった。全国平均は5~29人の事業所で70・5%、沖縄は56・4%で、14・1ポイントの開きがあった。

 沖縄労働局の松野市子室長は、導入率が低い背景を「制度を整備する時間的余裕がないことに加え、制度への理解が不十分な恐れがある」と分析する。

 育休は子どもが1歳になるまで男女共に取得できる労働者の権利。会社が育休を整備しているか否かにかかわらず、国の育休制度が利用でき、事業主は育休の申し出を拒むことはできない。

 一方で、沖縄タイムスが1月に実施したネットでのアンケートでは、「周囲の理解が低く、取得しにくい」「育休制度が利用できたなら辞めなかった。生活が苦しくなった」「既婚者が私だけで、育休を取ることは悪いと思った」など切実な声が寄せられた。

 育休の未整備に対する罰則はないが、2012年度の全国雇用均等基本調査によると、育休を導入している事業所の取得率40・4%に対し、導入していない事業所は4・8%と、取得率の差は約10倍に広がっている。松野室長は「企業の制度導入が、育休取得拡大の鍵となる」と説明する。

 沖縄国際大学経済学部の名嘉座元一教授は「育休を利用できずに退社した場合、再就職も厳しくなり、貧困につながる恐れもある」と指摘。沖縄タイムスの調査でも、導入のない事業所で退職に追い込まれたケースがあり、経済的に苦しい状況が続いていることが浮き彫りになった。