育児休業中の親を経済的にサポートする制度の一つに、育児休業給付金がある。子が1歳(最大で1歳6カ月)になるまでの間、雇用保険から給付金が支給される。上手に活用して育休期間を乗り切りたいが、沖縄県内では経済的な理由で育休を早めに切り上げたり、男性の利用が伸び悩んだりする現状もある。(学芸部・湧田ちひろ)

育児休業給付金の給付率

県内の育児休業給付金受給者数

公園で遊ぶ親子=那覇市内

育児休業給付金の給付率 県内の育児休業給付金受給者数 公園で遊ぶ親子=那覇市内

 育児休業給付金は、育休取得開始から180日目までは月給の67%、181日目以降は50%が給付される。支給対象は、育休に入る前の2年間に賃金支払い基礎日数が11日以上ある月が12カ月以上あるなど、幾つか要件があるので確認が必要だ。

 父母ともに育休を取得する場合、一定の要件を満たせば子が1歳2カ月になるまで給付金が支給される「パパ・ママ育休プラス制度」もある。育休中は社会保険料も免除される。

 沖縄タイムスが1月に行った「育休」についてのアンケートでは、育児休業給付金が給付されても、現状は生活が厳しいという声も多く寄せられた。

 嘉手納町の女性(35)は、1人目を妊娠した2011年、病院で1年契約の嘱託職員として勤務していた。上司に相談したが「育休は取れない」と伝えられ、やむを得ず退職。出産後は育児休業給付金の給付もなく、夫が仕事後にアルバイトをして生活費を補った。

 14年に第2子が生まれ、勤務先の通所介護施設では育休を取得。だが、育児休業給付金が最初に支給されたのは産後3カ月ごろだった。その後も2カ月に1度の給付となるため、その間に家賃を滞納するなど、生活は厳しかったという。「できれば1カ月ごとの給付であってほしい」と話した。

 宜野湾市の女性(33)も、経済的な理由で職場復帰を早めた。「給付金を受け取っても、住民税は前年度の収入での計算になるので厳しかった」と振り返る。

 県企画部統計課の家計調査によると、14年の勤労者世帯の実収入は1カ月平均で37万6282円。全国より14万3479円下回っている。

 育休中は原則的に賃金は支払われず、県内で一部賃金を支給する企業もあるが少ない。

 社会保険労務士でオフィスあるふぁ(浦添市)の青山喜佐子代表は「もともと所得が低い県内では、67~50%の給付率では収入の低い若い世代ほど厳しく、育休を早く切り上げる傾向がある」と指摘する。

 また、男性の育休取得が低迷する要因は、経済的な問題とキャリアへの影響の不安が大きいと考える。「男性の取得を増やすには、義務化するなど国の制度化が望ましい」と話した。

 育児休業給付金の給付手続きに向けて事業主としっかりと調整することが大切と強調。「結婚して出産までの間に、夫婦で出産後の費用や手当について調べて、きちんと計画しておくことが必要」とアドバイスした。