国政選挙で若年世代の投票率が1%下がると、若年世代1人当たり13万5千円分の損をする。そういう試算が、具志川高校で17日開かれた教員向けの主権者教育の講演会で紹介された

 ▼東北大大学院の吉田浩教授らの試算で、1967年から45年間であった国政選挙の50歳以上と50歳未満の投票率を比較。50歳未満の投票率が下がる中、国債発行高の増加分や社会保障の世代間で生じた給付の差の総計を算出した

 ▼講師の藤井剛明治大教授が取り上げた。千葉県の高校で長年政治経済の教師を務めた藤井教授は生徒向けの公開授業では、800兆円以上の国債残高を挙げ「国の借金を返すのは君たちだよ。どうする」と語り掛けた

 ▼藤井教授は「具体的な事例を示して、当事者意識を喚起したい。さまざまな意見を聞き、課題を多角的に考え、自分の考えをつくる力を育成することが重要」と語る

 ▼夏の参院選で選挙権が18歳に引き下げられる。だが、若者の投票率は低い。そのため、投票率が高い高齢者の声が政策に反映しやすく、シルバー民主主義ともいわれる

 ▼18歳選挙権で若者の投票率や政治への関心がすぐに高まるかは分からない。藤井教授も「一歩一歩進めるしかない」という。若者だけではなく、全世代で「政治とは何か、選挙とは何か」の原点を考える機会にしたい。(与那原良彦)