てるりんの愛称で親しまれ、戦後沖縄の大衆芸能を引っ張った故照屋林助さんは1990年に「コザ独立国」を宣言した。遊び心と風刺精神を持ちながらコザのチャンプルー文化を広く伝えた

▼著書で狙いに触れている。「独立ごっこ」を通して人や国家の「独り立ち」とは何かを考える。世の中をどうすべきかという見方を養うのだと。独立と呼べぬ日本という国への問い掛けでもあった

▼照屋さんが活動拠点とした沖縄市の市長選があす投開票される。人口14万人余は那覇市に次いで2番目。中部地区の核である沖縄市を制した陣営が半年後の知事選に勢いをつけるといわれる

▼2人の候補者は経済や福祉などの政策が異なり、4年間の実績評価は真っ向から食い違う。それでも両陣営は投票率の低下を懸念する。浮動票獲得へ投票率アップが最終盤の大きな課題となっている

▼独立国宣言の90年に74・8%あった投票率は減少の一途をたどる。8年前は51・03%。4年前に少し戻したが今回50%割れも杞憂(きゆう)ではない。選挙に詳しい人は口をそろえて盛り上がりに欠けると言う

▼独立国は三原則の一つに「テーゲー主義だが進歩的」を薦める。物事を大局で考え、ゆったりと構える姿勢という。有権者には、候補者の言葉にじっくりと耳を傾けて沖縄市の行く末を1票に託してほしい。(溝井洋輔)