「沖縄の子どもの居場所づくりを考えるシンポジウム」(主催・沖縄市こども施策研究会)が20日夜、沖縄市泡瀬の市産業交流センターで開かれた。滋賀県などで子どもの居場所づくりをコーディネートする幸重忠孝さんを招き、沖縄県内で子どもたちに寄り添う活動を続ける関係者らと討議。「居場所づくり」に子どもの願いや思い、声を反映させていくことの必要性を指摘する意見などが上がった。

それぞれの立場から子どもの居場所作りについて語ったパネリスト=20日午後、沖縄市産業交流センター

 幸重さんは基調講演で、高齢者施設など既存の施設や地域の人材を活用した実践例を挙げ、「孤立した子は地域の力で支えることができる」と強調した。また、自治体の積極的な支援が取り組みを加速させるとの認識も示した。

 パネルディスカッションにも参加し、居場所づくりのあり方について「目の前の沖縄の子どもたちの思いや声を聞くことにもヒントがある。その機会をどうつくるか、がキーワードだ」と指摘した。

 主催した沖縄市こども施策研究会の鈴木友一郎さんは、沖縄の子どもを取り巻く環境について、戦後27年間の空白による法制度の不備や、本土復帰後の急激な社会の変化などの特殊事情を指摘し、「地域で子どもの育ちを支える機能が著しく低下した」と分析。

 社会基盤整備の必要性を指摘しつつ「子どもの育ちを支える視座から、地域社会や大人たちができることはないのか」と述べ、「子どもが安心できる場」など、地域での居場所づくりのあり方を提起した。 

 児童館で指導員を15年務めた一般社団法人きっずまぁる代表理事の屋比久純子さんは「子ども時代を幸せに過ごすことが真の生きる力につながる」と述べ、多くの人に支えられて笑顔で幸せに過ごすことの意義を強調した。その上で、「子どもたちの肯定感を高めていく活動や関わりが大事だ」と訴えた。

 コーディネーターは沖縄大学名誉教授の加藤彰彦さんが務め、150席用意されたフロアは立ち見が出るほどの盛況ぶり。フリートークでは参加者からも活発に意見が上がった。