-日本銀行が導入したマイナス金利ってなに?

3日、マイナス金利について説明する日銀の黒田東彦総裁=東京都内のホテル

 「銀行や信用金庫などの民間金融機関が日銀に預けているお金の一部から、手数料を取るということだよ。金融機関は、すぐに必要になるかもしれないお金や、運用に余ったお金を日銀に預けているんだ。普通はお金を預けると、金利がついてお金が増えるんだけど、手数料が取られて逆にお金が減ってしまうので、マイナス金利と呼ばれているよ。日本では史上初めて導入したんだ。金融機関の預金が対象で、一般の人や企業が金融機関に預けているお金は、マイナス金利にはならないよ」

 -どうしてそういうことをしたの?

 「日銀は日本の景気を良くしようとして、世の中に出回るお金の量を増やす金融緩和を実施しているけど、マイナス金利も金融緩和の一つなんだ。金融機関は手数料を取られると、損をしちゃうので、日銀にお金を預けたくないよね。でも自分でお金を持っていてももうけが出ないから、違うところで稼ぐ必要になる。すると、企業や一般の人たちにこれまでより安く貸し出さないといけなくなるので、金利が安くなって、みんながお金を借りやすくなるんだ。世の中に出回るお金の量も増えると見込んでいるよ」

 「お金が借りやすくなれば、企業は新しい機械を買ったり、工場を建てたりするし、一般の人たちもより多く買い物をするようになり、景気は良くなるとされている」

 -マイナス金利が始まって、景気は良くなったの?

 「マイナス金利は16日から始まったけど、目に見えた効果はまだ出ていないんだ。金融機関がお金を安く貸し出すには、しばらく時間がかかるとみられているよ」

 「ただ、金融機関は企業や一般の人から集めた預金の金利を引き下げている。マイナス金利になるともうけを出しづらくなるので、預金した人に払う金利などのコストを削ってもうけを確保するように対応しているんだ。金融機関にお金を預けている人にとってはマイナスになるね。国債の利回りがマイナスになったほか、株式市場はマイナス金利の効果が見通せなくて、大幅に株価が下がったり、反対に上がったりして値動きが激しくなっている。資産運用も難しくなっていて、日銀の思惑とは違った負の側面が先に出ているよ」

 -沖縄にも影響があるの?

 「沖縄でも地方銀行を中心に預金金利を引き下げているよ。国債で運用している金融商品の販売停止も一部で出ていて、家計への影響が広がり始めている」

 「一方、沖縄は観光客が増加を続けていて、ホテルが足りないくらいで、お金が借りやすくなれば、ホテルの建設がもっと進んだり、お土産品製造業者とか、観光客がよく行く観光施設やレストランなどが新たな投資をしやすくなって、景気が良くなるとの見方もあるよ。沖縄は日本の地方都市で唯一、人口が増えていて、住宅やアパートを建てたいという人が多い。そういった人たちにはお金が借りやすくなる利点があるし、住宅やアパートの建設がもっと増えれば景気にも良い影響を与えるよ」

 -マイナス金利の中でお金はどうやって持てばいいのかな?

 「預金金利の引き下げが広がれば、金融機関に預けても利子はほとんど付かない。これまでのように預金だけでお金を増やしたりする運用は難しくなるね。将来必要なお金は預金のほか、投資信託や株式、生命保険などの金融商品をうまく使った方が得策との意見もあるよ。そのためには、金融商品の勉強をして、自分に合った商品を見つける必要がある。必要なければ、金融商品には手を出さないというのも選択肢の一つだよ」

 -これからどうなるのかな?

 「史上初めてのことなので、景気回復につながるのか、先がなかなか見通せない状況だ。景気回復が難しければさらにマイナス幅を増やすのか、景気回復がうまくいってもマイナス金利をやめたら経済にどのような影響が出るのか分からない。日銀はこれからも難しい判断を求められそうだ」(政経部・照屋剛志)