【ウオード麗奈通信員】故郷の石垣島を拠点に活躍する池城安武さん(35)の個展「イチグスク・モード・エキシビジョン」がこのほど、ロンドン北部にある「ハイバリー・アーツ・クラブ」で開催され、八重山をテーマに大小30点のシルクスクリーン版画が展示された。

個展会場の「ハイバリー・アーツ・クラブ」で、展示作品の前に立つ池城さん

 別名「オキナワ・イシガキ・ウィーク」と題した同展。会期中に、那覇市西町の「ピパーチキッチン」(池城さんの弟安信さん夫婦が経営)がケータリングで参加。八重山の歴史や自然、文化を歌うシンガー・ソングライター前花雄介さん(石垣市出身)の沖縄音楽のライブに合わせて、ライブペインティングも行われた。

 池城さんは「『イチグスク・モード・エキシビジョン』をアート展示(目)、『前花雄介ミュージックライブ』で音楽(耳)、『ピパーチキッチン』は食(口)を八重山出身者で、モダンアートの本場ロンドンで八重山を表現したいと考えた」と趣旨を語った。

 池城さんは琉球大学法文学部卒業後、ロンドンに2年間留学。帰国後、会社勤務などを経て、2011年に地元石垣島でデザイン会社「イチグスクモード」を設立。八重山・石垣島をテーマにした服の制作販売を中心に、八重山の景色、動植物、文化をコンセプトにしたシルクスクリーン版画制作などを行っている。

 10年前留学していたロンドンのバイト先の上司だった振角智子さん(兵庫県出身)が、池城さんの活躍を聞きつけて石垣島を訪問。8年ぶりの再会で「ロンドンで展示会したいね」と話したことがきっかけで実現した。開催場所は振角さんが勤務する「ハイバリー・アーツ・クラブ」。地元でも人気でおしゃれなアートカフェ兼タパスバーで、展示会や音楽、お笑いライブなどが頻繁に行われている。

 池城さんの作品の中で人気を集めたのは、アカバナー(ハイビスカス)とアカユラ(デイゴ)をくわえたアカショウビンの版画と、タマンチャーブイ(琉球王朝の王冠)をかぶったカンムリワシの版画だった。個展の成功を受けて、当初1週間だった期間が6週間ほど延長された。

 ロンドン発祥の皮ジャケットの老舗「ルイスレザーズ」本社プロダクションマネージャーの野原小綾さん(33)=那覇市出身=は「すてきなカフェで、きれいな色遣いの作品はとても温かく、ロンドンで懐かしい沖縄を感じることができた」と語った。

 ロンドンから帰国した池城さんは、同テーマで凱旋(がいせん)展も開催。「ロンドンの観客にも面白がってもらったのがうれしかった」と話し、「これからも八重山をテーマに作っていくが、私もまだ知らない島の面白さを見つけていきたい」と目を輝かせた。