那覇市が高齢者福祉サービスの一環で無料運行していた福祉バス「ふくちゃん号」が入札不調などで4月から運休している。利用者からは「バスがないと講座に通えない」「早く再開してほしい」などの声が上がる。市は23日に入札条件を緩和して再々入札を実施し早期再開を目指すが、今後は事業予算が昨年よりも増えることから事業の継続や費用対効果などの議論も出てくる可能性がある。

4月から運休している那覇市の福祉バス「ふくちゃん号」=17日、那覇市金城・市総合福祉センター

 ふくちゃん号は市が1999年に導入。2台で福祉施設などを巡る4コースを曜日ごとに走り、1台で1日4便を運行してきた。2017年度は2台で延べ557日運行し、2万3442人が利用した。1日当たり利用者数は42・1人だった。

 市は長年、市シルバー人材センターと随意契約を結んで運行してきたが、運転手の高齢化や整備管理者の対応が困難などの理由で契約を辞退され、18年度は入札を実施した。しかし、落札業者は人員を確保できずに3月末に辞退し、4月からの運休が決まった。

 市は11日に再入札を行ったが不調に終わり、23日は条件を1日3便の運行に変え、履行期間を約11カ月から半年に縮めるなど緩和して再々入札に臨む。民間バス業者への委託となるため、シルバー人材センターとの契約よりも事業予算がかなり高くなる見通しだ。市総合福祉センターの金城老人憩いの家での講座に通う盛舛桃代さん(78)は、友人に車で拾ってもらう日がある。「友達が行けない日は行けなくなる。バスがなくなって来なくなった友達もたくさんいる」と早期再開を願う。

 東蓉子さん(81)と高嶺昭子さん(79)は、市赤嶺からタクシーに乗り合って講座に通う。東さんは「バスがあるから受講を決めたのに。タクシーだと月千円以上の負担になる」とため息。今後、負担増や事業廃止などの議論が出てくる可能性について、高嶺さんは「再開してほしいけど、なるようにしかならない。市の判断に従うしかない」と話した。