仕事帰りの真夜中。自宅まで後100メートルの所で、トラ毛の子猫が足元にピタリとすり寄って離れない。とうとう玄関先まで付いて来て、20分間押し問答

 ▼3時間後、気になってドアを開けたら、前足を立てたつぶらな瞳の子猫がじっと見上げている。朝まで居たら飼おう。決意したが実らなかった。かすかな罪悪感を伴い、3年たっても忘れがたい

 ▼空前の猫ブームという。ペットフード協会の推計によると、犬の飼育数は2008年をピークに7年間で約24%減少したが、猫はほぼ横ばい。その差は年々縮まり、今後、猫の飼育数が犬を上回るとみられている

 ▼1人暮らし世帯の増加と、人の高齢化を背景に「散歩などの世話が必要な犬は数が減った」一方で、猫は「日中、家を空けている家庭でも飼いやすい」のが逆転の理由らしい

 ▼「ネコノミクス」なる造語も登場した。関西大の宮本勝浩名誉教授の試算では昨年1年間で約2兆3千億円の経済効果があった。県内でも犬猫のみとりやリハビリの複合施設ができ、ペット保険や猫情報の本が売り出された

 ▼ブームだとしたら、必ず下火になる。ヤンバルクイナを襲うのも、殺処分されるのも、追いやっているのは人間さま。「ニャンでワンを捨てるの!」。ニャン・ニャン・ニャン(2月22日)の「猫の日」を過ぎても忘れまい。(与那嶺一枝)