内閣府の特別機関「日本学術会議」の動物科学分科会の岸本健雄委員長らは22日、沖縄県庁に當間秀史環境部長を訪ね、東アジア地域の自然史標本やデータを網羅して収集・保存し、総合的な研究拠点となる「国立自然史博物館」を沖縄に設立する提言案を報告した。実現すれば日本で初めて。當間部長は「翁長雄志知事に報告し、前向きに取り組みたい」と応じた。

 同会議は5月にも提言案を正式決定し、内閣府や文部科学省、県などに設置に向けた事業化を促していく。同会議で初めて自然史博物館構想が検討されたのは1956年で、60年越しの計画が具体化する。

 岸本委員長は「東アジア地域の自然史を研究するハブとして、沖縄は最適の地」と意義を強調。「研究機関」としてだけでなく、最先端の研究成果に触れられる「社会教育施設」の両面を目指し「各国から多くの観光客が訪れる沖縄観光の目玉になる」と訴えた。

 提言案によると、国立自然史博物館は大学院に準じる研究体制を目指す。多様な時間や場所で、研究者らが記録した膨大な動植物などの標本を一堂に集め、データを蓄積、統合することで不明な点の多い東アジア地域の自然史解明などに活用するのが狙い。欧米には国を代表する自然史博物館があるが、日本にはなく、研究者らを中心に設立を求める声が根強かった。東日本大震災で多くの標本が失われたことを機に、今回の提言に結び付いたという。