夏の参院選に向けて野党共闘が急進展している。

 民主、共産、維新、社民、生活の野党5党による幹事長・書記局長会談が23日開かれ、参院選の改選1人区の候補者一本化に向け、正式協議を始めた。先の5党党首会談を受けたものだ。

 注目されるのは、共産党のかつてない思い切った判断だ。志位和夫委員長が22日、党本部で開かれた全国会議で民主党など野党の公認、推薦候補と1人区で競合した場合、独自候補を取り下げる方針を明らかにしたからだ。

 (1)安全保障関連法廃止、集団的自衛権の行使を容認した閣議決定の撤回を選挙公約とする(2)(共産党との)選挙協力の意思があることを確認する-ことが条件である。ネックになっていた安保法廃止などを目的とした連立政権「国民連合政府」を棚上げしたことも共闘を加速させている。

 共産党は32ある1人区のうち、29の選挙区で公認候補を擁立している。21選挙区で民主の公認、推薦候補と競合しており、「かなりの人」を取り下げるという。過去になかったことだ。志位氏は衆院選の選挙協力にも言及した。衆院選にも素早く対応できる体制を急ぎたい考えからだ。

 野党5党に共通しているのは、ばらばらで選挙戦に突入しては「自民1強」を許してしまうとの危機感である。

 参院選の前哨戦となる衆院北海道5区補選(4月24日投開票)では共産党が公認の新人候補を取り下げ、野党候補に1本化した。衆院京都3区補選(同)でも、同じ流れになる可能性が高い。

■    ■

 参院選では1人区が勝敗の鍵を握る。2007年の第1次安倍内閣で行われた参院選で自民党は29の1人区で6勝23敗を喫し惨敗した。対照的に13年の第2次安倍内閣では31の1人区で29勝2敗と圧勝し衆参のねじれを解消した。

 参院選で改憲勢力による3分の2の議席を目指す安倍政権は閣僚の辞任や議員の資質を疑わせる発言が相次いでいる。にもかかわらず今月の共同通信社の世論調査で支持率は46・7%を保っている。

 支持する理由として最も大きいのが「ほかに適当な人がいない」が39・8%と突出している。受け皿がないのである。参院比例代表の投票先でも、自民党33・7%に対し民主党は9・9%にすぎない。野党のふがいなさを示しており、野党共闘で打開できるかが参院選を占う。

 野党5党は安全保障政策など基本政策で食い違いがあるのも事実だ。「野合」批判に応えなければならない。

■    ■

 野党共闘は14年の衆院選で沖縄の四つの全ての小選挙区で野党候補が勝利した「沖縄方式」が原型だ。

 名護市辺野古の新基地建設反対という最も重要な点で、革新勢力と分裂した保守がまとまり、小選挙区で自民党候補をすべて退け全勝した。

 維新の党と合流することで大筋合意した民主党の枝野幸男幹事長は今月の来県した際のインタビューで新基地について「工事を無期限に中止しゼロベースで話し合うべきだ」と言っている。新基地への姿勢も鮮明にすべきだ。