【久高島=南城】四方を海に囲まれた久高島に海抜21・35メートルの津波避難施設が完成し、22日、記念式典が行われた。沖縄県の予測では、久高島には最大17・2メートルの津波が島を襲う可能性があるが、施設に上れば安全を確保できる計算だ。この日は防災訓練も行われ、避難施設の屋上までは長い階段が続くため、島に多いお年寄りへの手助けが必要なことも確認した。

完成した久高地区の津波避難施設

津波から逃れる訓練で、避難タワーの階段を上る久高島のお年寄りら=22日、南城市

完成した久高地区の津波避難施設 津波から逃れる訓練で、避難タワーの階段を上る久高島のお年寄りら=22日、南城市

 施設は鉄骨造りで、海抜約10メートルの久高小中学校のそばに建てられた。

 延べ床面積300平方メートルに、島民約270人を上回る300人が収容できる。一時避難所のため、被災時は本島からの救援を待ち、津波が引いた後は公民館などへの移動を想定している。総事業費は1億9584万円。

 屋上には長方形のベンチ兼倉庫が四つあり、携帯電話などが充電できるほか、簡易テントや雨よけに使えるブルーシートなどを入れる。屋上につながる階段は南北にあり、東側は学校とつながっており児童・生徒らが使う。

 訓練では、長く続く階段に息切れして立ち止まり、家族に手助けされて上る高齢者もいた。

 糸数千代子さん(88)は「避難できるから安心だけど、一人では上りきれない」、嫁の律子さん(51)は「島に私がいないときは、だれかの助けが必要」と訴えた。

 式典で古謝景春市長は「これまで以上に市民や観光客の安心・安全を確保したい」とあいさつ。内間文義区長は「明和の大津波のように、沖縄でも大規模地震は起きる。有効活用のため、地域で話し合いたい」とした。