私らしく、はたらく(16)吉戸三貴

 定例ミーティングで、ある企業にお邪魔した時のこと。経営者の方から、社員のモチベーションを上げたいというご相談がありました。私は、「会社としてできるのは、仕組みを作ったりヒントを提供したりといったサポートだけで、最終的には、ひとりひとりが、仕事に前向きに取り組むための動機を自分で見つける必要があります」とお答えしました。

 今でこそ、モチベーション研修を任されることもありますが、私自身、会社員時代は働く意欲を保つのに苦労していました。頑張りが評価されずやる気をなくしたり、残業で疲れ果て言われたことをこなすだけの毎日を過ごしたり…。お恥ずかしい話ですが、若い頃は、不満たらたら、不機嫌オーラ全開で仕事をしていたこともあったと思います(ホント、ハズカシイ)。

 その後、沖縄と東京で転職を重ねてわかったのは、モチベーションは外から与えられるものではないということです。動機付けが見つからないことを環境や人のせいにしても何も変わりません。なぜ働くのか、どうすれば意欲が湧くのか、その答えは自分の内側にしかないからです。気持ちよく働きたいと思ったら、それをどうにかして見つけて根気よく育てる必要があります。

 最初は、ごく小さな種でも良いと思います。例えば、「大阪出張に行って、帰りに空港でタコ焼きが食べたい」「尊敬する先輩と一緒に仕事がしたい」など、こうなったらいいなということを自由に思い浮かべ、どうすれば実現できるか考えながら行動するのです。出張の多い案件に積極的に関わる、先輩と一緒に上司へ企画を提案するなどできることはいろいろあるでしょう。

 仕事が楽しくなることを見つけ、そのために努力することを繰り返していると、だんだん、自分の好みや傾向がわかってきます。「海外と関わる機会があるとやる気が出るから、ビジネス英語を勉強しよう」といったように考えて行動できると、意欲を上手にコントロールできると思います。

 さまざまなライフイベントを経て数十年働くことも珍しくない時代。頑張る原動力になるものを見つけ上手に維持する力は、心地よく働くための大切な要素です。会社のためでも上司のためでもなく、自分自身のために、頑張れる理由を探してみませんか。(コミュニケーションスタイリスト)