C型肝炎ウイルス(HCV)は1989年に発見されたウイルスで、主に血液を介して感染します。肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれ自覚症状がないまま10年~30年くらいかけて慢性肝炎から肝硬変、さらには肝がんへと進展していきます。

 現在日本では毎年3万人以上の方が肝がんで亡くなっていますが、約80%が肝炎ウイルス、特にC型肝炎ウイルスが原因であると言われています。

 ウイルスを排除できれば発がんの可能性が非常に低くなるため、これまでさまざまな抗ウイルス治療が行われてきました。

 1990年代はインターフェロン(IFN)という注射薬による単独治療がウイルスを排除する唯一の治療法でした。

 ウイルスは大まかに分けてIFNの効きにくい1型と、IFNの効きやすい2型に分けられますが、残念ながら強い副作用を持ちながらも1型において治療効果は10%以下と芳しくありませんでした。

 2001年にリバビリンという飲み薬を併用する治療法や、2003年にペグインターフェロンという週1回投与の製剤が登場してから、治療効果は40~50%へと向上しましたが約半分の患者さんがまだウイルス排除に至りませんでした。

 11年に直接作用型抗ウイルス薬(DAA)をIFNと併用する治療が登場してからは80~90%の治療効果が得られるようになりました。

 そして14年、IFNを使用せず飲み薬のみで治療するという新しい治療が認可され、12週間の内服治療のみで95%~100%と非常に高い著効率が得られるようになりました。IFNに比べ副作用が少なく、もちろん注射の痛みもありませんし、治療期間が短いため病院への来院回数も少なく済みます。

 それでいて治療効果が非常に高いわけですから、C型肝炎の治療は本当に大きく進歩したといえます。

 現在、日本には100万~200万人のC型肝炎ウイルス感染者がいるといわれていますが、最初に述べたとおりウイルスに感染していても自覚症状がないことが多く、また血液検査の肝機能(AST・ALTなど)も正常である事もあります。

 感染経路は主に血液ですから、1992年以前に輸血を受けた方、入れ墨のある方、覚せい剤・麻薬の注射をした事がある方などは1度C型肝炎に感染していないかどうかの検査をお勧めします。

 検査については最寄りの医療機関や保健所にご相談ください。(國吉徹 おもろまちメディカルセンター内科)