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  • 米軍嘉手納基地の騒音による心筋梗塞や脳卒中で「年4人死亡」
  • 北海道大の松井教授が県の騒音調査や疫学調査を基に推計
  • 睡眠障害1万人、高血圧も千人と算出「大規模な公害病」と訴えた

 騒音がもたらす健康被害の専門家で、北海道大学工学研究院の松井利仁教授(環境衛生学)は25日までに、米軍嘉手納基地の航空機騒音による心筋梗塞や脳卒中で、毎年4人が死亡しているとの推計結果をまとめた。沖縄県の騒音測定結果や国勢調査を基に、英国の疫学調査で得られた死亡率を応用して算出した。騒音で心筋梗塞か脳卒中に罹患(りかん)している患者も30人に上るとしている。

米軍嘉手納基地

 さらに、世界保健機関(WHO)の夜間騒音ガイドラインに基づけば、夜間騒音が原因で、軽度以上の睡眠障害に罹患している嘉手納飛行場周辺の住民は約1万人いると算出。過去の県の疫学調査を踏まえ、騒音による高血圧の住民も千人いるとした。

 松井教授は「戦後70年が経過したことを考慮すれば、単純計算で約300人の命が失われたことになる。大規模な公害病だ」と訴えた。

 県は1995~98年、嘉手納基地周辺住民の約2万人を対象に航空機騒音と健康被害の関係を調べる疫学調査を実施しており、松井教授は調査メンバーの一人だった。

 今回の推計も当時の調査結果に、最新の科学的知見を反映させた。

 推計のための基礎データは、県などの常時騒音モニタリング結果などを基に作成した夜間騒音コンター(予測図)に、国勢調査の字別人口分布を重ね、算出した騒音曝露(ばくろ)レベル別の人口を基にした。

 英国の疫学調査は、2013年にヒースロー空港周辺の約360万人を対象に行われたもので、航空機騒音と死亡リスクの関係性を初めて明らかにした。

 松井教授は、那覇地裁沖縄支部で18日にあった米軍嘉手納基地の周辺住民が起こした第3次嘉手納基地爆音差し止め訴訟の証人尋問で、推計結果をまとめた意見書を提出。

 24日の県議会2月定例会では、仲村未央氏(社民・護憲)が松井氏の調査結果を踏まえて県に、嘉手納基地周辺住民を対象にした健康調査を求めていた。