民主党の岡田克也代表と維新の党の松野頼久代表は26日、党首会談を開き、両党の合流に正式合意した。3月中の新党結成をめざす。

 夏の参院選を控えた「駆け込み合流」に、わくわく感やどきどき感はない。維新の中に民主党からの出戻り組が多く、党名変更をめぐって民主党内には賛否がくすぶり続ける。

 民主党政権時代のうんざりするような党内対立の記憶があるだけに、党名変更や綱領策定にもたつくようだと、有権者に失望感を与えるおそれもある。

 共同通信社が20、21両日に実施した全国電話世論調査によると、両党の合流構想について「一つの党になる必要はない」との回答が65・9%にものぼった。有権者の反応は冷ややかだ。

 新党結成までに、どのように清新さを打ち出し、期待感を高めていくか。与党からの「野合」批判をどのようにかわしていくか。両党に課せられた課題は極めて重い。新党結成に失敗すれば、日本の民主主義はいっそう混迷を深め、安倍政権の「専制化」が加速しかねないからだ。

 巨大与党に対する対抗勢力がいまほど必要な時はない。 強力な野党が存在し政府、与党に対するチエック機能を果たすこと。与党は野党の批判を謙虚に受け止め丁寧に合意形成をはかること-これが健全な民主主義の前提条件であるが、日本政治の現状は、そうなっていない。

 新党結成で求められるのは安倍政治に対する対抗軸を鮮明に打ち出すことだ。

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 違憲の疑いが濃い安全保障関連法を強引に成立させても、閣僚や自民党議員が失言・放言を繰り返しても、はたまた政治とカネをめぐる問題が表面化しても、その段階では支持率を下げるものの、しばらくすると持ち直す。

 安倍政権のこの驚異の回復力はどこからくるのか。

 政権批判の受け皿となって政権交代を実現させることができるような「骨太の野党」「清新な野党」「期待の持てる野党」が存在しない、と多くの有権者が感じている。

 安倍政権が暴走すると「支持率低下」という形でおきゅうが据えられるが、時間がたつと「自民党に代わる政権交代可能な政党が見当たらない」との理由で振り子が現政権に戻るのである。

 自民党のおごりを与党の一員である公明党がたしなめ、バランスをとる。政策面で公明党に譲歩し、選挙の際、公明党の票を当てにする。自公体制はこれまでになく盤石な印象を与えている。

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 民主、維新両党は、安全保障関連法の対案として3法案を国会に共同提出。共産、生活、社民を含めた野党5党は安保法を廃止するための法案を共同提出した。

 共産党が改選1人区への候補者擁立を取り下げる方針を明らかにしたことで野党5党の選挙協力も一歩前に進んだ。新党はこうした動きを加速させる役割を担わなければならない。そのためにも早急に対抗軸を打ち出し、野党間の政策合意を進めるべきだ。