【宜野湾】東日本大震災の被災地を何度も訪問して被災者と交流し、得た防災知識や意識を地域に伝える活動を続けてきた沖縄国際大学の自主ゼミの学生たちがいる。指導や助言をしてきた同大福祉・ボランティア支援室の稲垣暁さんが、本年度で同大を離れることもあり、活動の形を変えることになりそうだが、学生らは今後も続けたいと気持ちを新たにしている。(中部報道部・安里真己)

釜石東中生が鵜住居小の子どもたちの手をひいて逃げきった1.5キロのいわゆる「釜石の奇跡」を車いすで実走した又吉さん(左)と車いすの田畑さんと下地さんの3人=2015年11月、岩手県釜石市(稲垣暁さん提供)

 現在のメンバーは2年前から活動している人間福祉学科4年の下地睦美さん(22)と法律学科2年の又吉麻菜美さん(21)、1年前から関わっている同学科2年の田畑秋香さん(20)の3人。田畑さんは移動に車いすが必要だ。

 下地さんと又吉さんは、岩手県大槌町を3度、田畑さんは1度、訪問した。回を重ねるごとに大槌の人たちが顔を覚えてくれ、深い悩みや困り事を語ってくれるようになった。

 また、3人は実際に住民が避難に使った道で追体験した。下地さんは「自分は逃げ切れるのか」などと自問し、震災が身近になったという。田畑さんは、車いすを押してもらって逃げてみた。「自助・共助・公助」の共助が大切だと言われるが、自助も頑張らないと助ける側が大変だとも感じた。

 「災害時に自分はどうすればいいのか」という疑問から活動を始めたが「現実を知るほど怖さは増す。でも、頼るだけでなく生きたいという思いを伝え、自分から動かなきゃいけないと思う」と田畑さん。

 県内の自治会や子ども会での防災ワークショップなどにも助言役で参加、仙台での国連防災会議や神戸での防災を考える会議で発表するなどさまざまな防災活動も行ってきた。

 今春就職する下地さんは「中途半端ではいけないけど、終わるのは寂しい」と今後の関わり方を模索する。田畑さんは「どんな形になるか分からないが、これからも学びを深めて伝えることを続けたい」。又吉さんは「人とつながるから、助け合えると思う。世界規模で考えたいし、交流も続けたい」と話した。