最短で2018年夏の世界自然遺産「奄美・琉球」(鹿児島・沖縄県)の登録に向け、環境省は27日、やんばる地域の陸域・海域の計約1万7300ヘクタールを国立公園に指定する方針を明らかにした。名称は「やんばる国立公園」で、7月にも官報に告示する。このうち脊梁(せきりょう)部を中心に陸域の約5100ヘクタールを世界自然遺産に推薦する考え。

 遺産登録の可否を審査する国連教育科学文化機関(ユネスコ)は、登録条件として対象地域の法規制による自然保護の強化を求めている。3月下旬に全域が国立公園になる西表島に続き、やんばる地域にもそのめどが立ったことで、遺産登録へ大きな前進となる。

 環境省は沖縄海岸国定公園の一部を編入し、国頭、大宜味、東の3村にまたがるやんばる地域の陸域約1万3600ヘクタール、海域約3700ヘクタールを国立公園に指定する方針。このうち最も法規制の厳しい「特別保護地区」「第1種特別地域」にする計5192ヘクタールを世界自然遺産に推薦する考えという。

 一方で指定区域に、日米両政府が一部返還に合意している米軍北部訓練場(約7800ヘクタール)は含まれない。同省国立公園課は「今後訓練場が返還されれば区域拡張も検討する」とした。

 「奄美・琉球」は鹿児島県の奄美大島と徳之島、沖縄県のやんばると西表島の4地域からなる。鹿児島の2島でつくる「奄美群島国立公園」も、指定区域案の策定に向けて環境省が地権者らと調整を続けている。

 18年夏の登録には、ことし9月までに4地域全てに国立公園化のめどをつけた上で、ユネスコに「推薦書暫定版」を提出しなければならない。27日に那覇市内であった「第2回奄美・琉球世界自然遺産候補地科学委員会」(土屋誠委員長)で、環境省那覇自然環境事務所の西村学所長は「9月の暫定版提出に向け、鋭意取り組むことを約束したい」と話した。

 環境省は当初、最短で17年夏の登録を目指していたが、国立公園指定などの調整が長引き、目標を一年延ばした経緯がある。

■きょうから意見募集

 環境省は28日から、「やんばる国立公園」の指定区域案について県民などから意見を募る「パブリックコメント」を始める。3月27日まで。詳細は同省ホームページ、http://www.env.go.jp/index.htmlまで。