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  • 沖縄女子短大の非常勤講師が、「無期転換」適用直前に契約を止められた
  • 同大は10月の後学期に再契約の意向だが、無期雇用の転換権を失う
  • 識者は「認められない。裁判になれば無効とされる可能性が高い」

 長期間、同じ職場で働く有期契約労働者の雇い止めを防ごうと、4月から改正労働契約法の「無期転換ルール」が運用されているが、沖縄女子短期大学(与那原町)の非常勤講師3人が無期契約の権利を得られる直前の3月末で契約を止められていたことが26日、分かった。識者は「無期雇用を逃れるための雇い止めが疑われ、法の趣旨に反する」と指摘する。(特報・新崎哲史)

(資料写真)沖縄女子短期大学

 同ルールを巡り、数年前から全国の大学で非常勤講師や職員の「雇い止め」が問題となり、労使交渉や労働局の指導などにより、東大や早稲田大、長崎大など大学側の方針撤回が相次ぐ。

 契約を切られた元非常勤講師の男性は沖縄タイムスの取材に対し、「当然、無期契約に転換できると思っていた。肩書を失い、実績も否定されたようで何も手に付かない」と話す。

 同大は「新専任教員の採用やカリキュラム改定などで、非常勤講師の授業数を定めている。今回の3人は前期日程に授業が入らなかった」とし、雇い止めではないとする。

 同ルールでは6カ月以上、契約期間が空くと、無期転換権が消失する。同大は、6カ月後の10月開始の後学期に男性と再契約する意向を示している。

 労働問題に詳しい沖縄大学の島袋隆志准教授は「よほどの理由がない限り、権利を得られる直前の契約解除は認められない。大学側は男性が無期転換権を失った後、改めて非常勤の立場で雇う意向を示している。裁判になれば大学の判断は無効とされる可能性が高い」と指摘する。

 ことば[無期転換ルール] 通算5年以上、有期契約を更新した労働者が無期雇用の転換権を得られる。2008年のリーマンショックで有期契約労働者の「派遣切り」が社会問題となり、「雇用の安定」を目的に13年4月施行の改正労働契約法に盛り込まれた。