県は、2017年度の入域観光客数が957万9千人となり、初めて900万人台を突破したと発表した。前年度に比べ9・2%、約81万人も増え、5年連続で過去最高を更新した。

 17年4月から毎月、前年同月の数を上回り、月ごとでも過去最高を塗り替えた。最盛期の8月には単月で初めて100万人を突破している。70万人を下回った月はなく、底上げ、平準化が進んだといえる。10年前は500万人程度だった観光客が、今ではその2倍近くになっており、急増ぶりに目を見張る。

 好調が続く要因について、県は、官民一体となったプロモーションで沖縄への旅行需要を喚起できたこと、国内・海外と沖縄を結ぶ航空路線の新設や拡充、クルーズ船寄港の増加などを挙げている。

 記録ずくめの観光客数だが、中でも外国人の伸びが著しい。外国客は約269万人と、前年度に比べ約56万人増え、10年連続で過去最高となった。全体の増加数の7割が外国客で、寄与度が高い。

 アジア諸国から最も近い日本として、近場の台湾、韓国、中国本土だけでなく、東南アジアからの直行便も開設された。一度に大勢を送客するクルーズ船の寄港も順調に増え、観光客数を押し上げる原動力となっている。

 今後も景気の回復基調が続く見通しで、空海路の拡充もあり、好調な流れは持続する見通しだ。県は18年度の目標を1千万人に設定した。達成すれば「第5次県観光振興基本計画」より1年前倒しとなる。推移を注視したい。

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 観光客数の急激な膨張によって、各方面でひずみが生じていることも直視しなければならない。

 航空路線の充実によって那覇空港では、飛行機の上空待機、発着遅れが常態化している。過密化への対応として、第2滑走路を増設し、20年に運用開始予定となっている。

 ただ、さまざまな制約要因があり、離着陸可能な回数がそれほど増えないことも分かってきた。空の混雑の緩和策は引き続き検討が必要だ。

 レンタカー利用が急増していることに伴う課題も深刻化している。車の受け渡しに2時間も待つこともあるとされ、観光客がストレスを感じる要因となっているからだ。受け渡し場所を郊外に分散化したり、観光客用バスの運行、タクシーでの外国客接遇の改善も進められている。沖縄到着後の交通の整備・対策は動きだしたばかりで、取り組みを本格化してもらいたい。

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 ストレスは観光客だけでなく、受け入れる側の県民も感じている。交通渋滞の激化、外国客が医療機関にかかった際の対応の難しさや医療費不払いの問題など、さまざまな場面で摩擦が顕在化してきているようだ。

 県は21年度の目標として1200万人を掲げる。達成の実現性は見えてきたが、来る側、受け入れる側のストレスをいかに低減できるかも重要な課題となる。量より質への転換が長く指摘されてきたが、来る側、受け入れる側が納得できる観光の質の議論もより深めなければならない。