名護市辺野古の新基地建設をめぐる代執行訴訟と係争委不服訴訟は29日に福岡高裁那覇支部(多見谷寿郎裁判長)で口頭弁論がある。代執行訴訟では稲嶺進名護市長の証人尋問があり、国が地元の名護市や沖縄県の理解を得ないまま新基地建設を強行することは民主主義に反すると訴える。同訴訟では和解案への双方の対応に注目が集まり、2訴訟とも同日に結審する。

福岡高裁那覇支部

 国が県を訴えた代執行訴訟で多見谷裁判長が提示した「根本案」と「暫定案」の二つの和解案について、双方は弁論後の進行協議で意見を交わす。県側は暫定案に前向きな姿勢を示しており、国側はいずれかの案の修正を求めるなど、態度を示すとみられる。

 国に代執行訴訟と行政不服審査法の審査請求を取り下げ、他の司法手続きによる解決などを求めた「暫定案」について県側は、辺野古の工事が止まる点を評価。一方、工事を続けるために提訴したとする国側は同案に否定的だ。

 翁長雄志知事が埋め立て承認取り消しを取り下げ、国に新基地の供用開始から30年以内に返還か軍民共用で米国との交渉を求める「根本案」は新基地建設が前提で、県側が否定的だ。

 昨年12月の国地方係争処理委員会の審査結果を不服として、県が国を訴えた係争委不服訴訟は、沖縄防衛局が固有の資格(国の立場)で埋め立て承認を受けたのかが争点だ。係争委不服訴訟の開廷は同日午後1時15分、代執行訴訟は午後2時。