かつて基地の門前町としてにぎわった嘉手納町の新町通り。その一角に誰にも教えたくない店がある。心地よいジャズの音色に、ほんのりとアロマの香りが漂う「HIDEKO’S SEAFOOD CAFE」。米ニューオーリンズの街並みを意識したという重厚感のある店内は、いかにも若者受けしそうだが、実は店主のニール・英子さん(64)が「高齢者の集まれる憩いの場をつくりたい」と、自身の還暦の誕生日に開店した。

バンズから白身魚がはみ出る「シーフードバーガー」。付け合わせのカリカリポテトもお勧め

気遣い上手の店主、ニール・英子さん

HIDEKO’S SEAFOOD CAFEの場所

バンズから白身魚がはみ出る「シーフードバーガー」。付け合わせのカリカリポテトもお勧め 気遣い上手の店主、ニール・英子さん HIDEKO’S SEAFOOD CAFEの場所

 一押しは、やっと1年前に完成形に達したという「シーフードバーガー」(900円)。約20年前に夫ジャーンさん(68)の地元フロリダで出合った味を追求した。厚みのある見た目とは裏腹に、一口でかみ切れる柔らかさで、ふわっふわのバンズに熱々ジューシーな白身魚、トマト、タマネギ、レタス、チーズが一体感を持って口に飛び込んでくる。じんわり舌に広がるソースの甘みがたまらない。

 白身魚は、故郷石垣島で鮮魚店を営む妹の金城はるみさん(60)に相談しながら仕入れる。揚げる油にもこだわるだけあって、食後の胃もたれを全く感じない。最高齢92歳の常連客にも大好評だ。

 模合や家族連れの来店も多く「バーガーが苦手な人にも楽しんでほしい」と「八重山そば」(650円)もある。石垣島から取り寄せる素材のうまみが光る隠れた人気メニューだ。健康にいいというモリンガ茶は無料サービス。「おしゃべりだけでも大歓迎よ」と英子さん。一度足を踏み入れたら舌だけでなく心も引かれる。食へのこだわりと優しさがあふれる名店だ。(中部報道部・篠原知恵)

 【お店データ】嘉手納町嘉手納453。営業時間は正午から午後8時半。日曜と水曜定休。駐車場は6台、店内はバリアフリーで車いす利用者のための駐車場もある。電話098(923)5910。