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  • 国が県を訴えた辺野古代執行訴訟は暫定案に絞り和解協議へ
  • 名護市長は証人尋問で「基地建設強行は地方自治に反する」
  • 訴訟は結審し判決は4月13日午後2時に言い渡される

 普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古の新基地建設で、国が翁長雄志知事を訴えた代執行訴訟の第5回口頭弁論が29日、福岡高裁那覇支部(多見谷寿郎裁判長)であった。沖縄県側代理人によると、二つの和解案のうち、国が工事を停止した上で代執行訴訟などを取り下げて県と再協議するように求めた「暫定案」に絞った和解協議が進む方向となった。「根本案」には言及がなかったという。暫定案には和解後、地方自治法に基づく是正措置を具体的な日数も挙げながら速やかに実行する内容が加わったもようだ。

事前集会で、代執行訴訟の証人尋問に臨む決意を語る稲嶺進名護市長=29日午後、那覇市楚辺・城岳公園

名護市長 尋問骨子

事前集会で、代執行訴訟の証人尋問に臨む決意を語る稲嶺進名護市長=29日午後、那覇市楚辺・城岳公園 名護市長 尋問骨子

 代執行訴訟では稲嶺進名護市長が証人尋問で「国が地元の名護市や県の理解を得ないまま新基地建設を強行することは、地方自治の原理に反する」と訴えた。翁長知事は弁論後の会見で「地方自治の本旨に基づいた判断を下してほしい」と述べた。訴訟は結審し、判決は4月13日の午後2時に言い渡される。

 係争委不服訴訟でも同様の「暫定案」が示されたが、国側は新基地建設工事の停止を条件とする同案に難色を示すのは必至だ。

 稲嶺市長は県側の主尋問で、新基地建設は騒音増加や環境破壊を招き、住民生活に甚大な影響が出ると主張。「豊かな環境を維持し、人と自然が支え合う」とした市の基本理念に反すると訴えた。

 名護市にはキャンプ・シュワブや辺野古弾薬庫など、市の面積の約11%を米軍専用施設が占めていると指摘。「基地負担は既に過剰で、新基地反対の民意も示されている。これ以上の負担は受け入れられない」と強調した。基地の騒音や米軍が関わる犯罪によって「県民の人権が否定されてきた」と沖縄の戦後を振り返り、「県民の人権を守り、希望の持てる判決を」と裁判長に訴えた。

 国側は反対尋問で、沖縄防衛局が埋め立て承認を申請した際に市が県に提出した意見書について質問。意見書作成に当たり、市が意見を聴取した専門家が公正中立な立場だったのかと聞き、稲嶺市長は「県内での研究成果などを踏まえ、専門家を選んだ」と答えた。

■係争委不服訴訟も和解勧告 17日判決

 名護市辺野古の新基地建設で、翁長雄志知事の下した埋め立て承認取り消しをめぐり、石井啓一国土交通相が出した執行停止決定の取り消しを求め、県が国を提訴した「係争委不服訴訟」の第2回口頭弁論が29日、福岡高裁那覇支部であり結審した。多見谷寿郎裁判長は、代執行訴訟に次いで和解を勧告した。

 意見陳述に立った県側は、埋め立て承認の取り消しの無効を求めた沖縄防衛局が、本来、一般人の利益を保護する行政不服審査法に基づいて国交相に審査請求したことを「私人に成り済ました。正しい国の関与なのか疑わしい」と批判。

 今回のような手法が認められた場合、「行政権の乱用」という前例をつくり、全国にも影響が波及すると主張し「本来あるべき、国と地方の関係に基づく判決を」と求めた。判決は17日午後2時から同支部で言い渡される。