【福島で城間陽介】5年前の東日本大震災当時から被災地入りし、今も原発事故避難者と向き合っている沖縄県警の警察官がいる。嶺井孝允巡査長(30)は、自ら志願し、昨年4月から福島県警へ再び出向している。仮設住宅の巡回や帰宅困難区域をパトロールする任務は5年前と変わらない。「被災地を風化させてはいけない。沖縄に戻ったら現状を伝えたい」と力を込める。

仮設住宅の巡回や避難区域のパトロールにあたっている嶺井孝允巡査長=27日、福島県・いわき中央署

 2011年10月から約1カ月間、福島県郡山署に赴任し、仮設住宅を巡回した。避難者から掛けられた「ありがとう」の言葉が忘れられない。当時、巡回で担当した避難住民や宿泊先で仲良くなった経営者の夫婦とは今も連絡を取り合い、ご飯を食べに行く仲だ。

 現在は、いわき市内の仮設住宅の巡回のほか、空き巣被害も多い福島第1原発周辺の避難区域の警戒にあたっている。

 帰れない住民に代わって撮影した街の映像を仮設住宅に持ち帰ると、故郷を思い出して泣く人もいたという。「少しでも力になれることを考えた。それを喜んでくれた」。仕事に対する誇りも感じている。

 本来は1年の任期だが延長を申請し、来年3月末まで残る予定。嶺井巡査長のほか、沖縄県警からは新里英司巡査部長が出向している。