この作品のタイトルを目にした時、何か強い思いが満ちあふれているように感じた。

「女は二度決断する」の一場面

 2度も決断せざるをえない状況に置かれたのは、ネオナチに息子と夫を奪われた主人公カティヤ。移民を多く受け入れてきたドイツで移民に対して過激な嫌悪を示すネオナチの集団が爆弾テロを決行。

 被害者家族となったカティヤはその事件をきっかけに、ドイツ国内にまん延する根深い移民への差別意識を目の当たりにし、絶望していく。

 残酷なことに、愛する者を奪った犯人が目の前で無罪放免になり、カティヤは失意の末、ある決断を下す。

 ドイツで実際に起こったネオナチによる爆弾テロ事件を下敷きに、カティヤの2度にわたる決断を描いたファティ・アキン監督。自身もトルコ系のドイツ人である彼が、この作品を作るに至った気持ちを思うと、心が痛い。(桜坂劇場・下地久美子)

 ◇桜坂劇場で28日から上映予定