中国から渡来し、琉球王国の海外交易などで活躍した久米三十六姓の子孫でつくる久米崇聖会で、昨年から今年にかけ入会を希望した女性4人の対応を巡り議論が起きている。創立から104年、男性血縁者で会を構成してきた「伝統」を理由に理事会は3月、女性の入会を否決。一方、男女共同参画の観点から「女性排除の旧態依然とした考え方は時代になじまず、組織の発展につながらない」と疑問視する会員もいる。

久米崇聖会の定款では、正会員の要件について「久米三十六姓の末裔の個人か団体」と定めている(100周年記念史より)

 4月時点の会員は230人で全員男性。2013年に一般社団法人となった同会の定款によると、正会員は「久米三十六姓の末裔(まつえい)の個人または団体」とされ、入会申込書を理事長に提出し理事会の決議を経て承認される。関係者によれば会員の姉や娘が昨年6月に2人、今年3月に2人、入会申込書を提出。9人中8人の理事が出席した3月の理事会では3対5の賛成少数で4人の入会を否決し、男性5人の入会は全会一致で承認した。

 女性の入会に反対した理事らは「現在の定款はDNAがつながっていれば誰でも入れる内容だが、伝統を継承するには無制限でもいけない」と説明。女性4人のうち2人の姓が変わっており、「他の家に嫁いだ女性や外国人と結婚した場合など前例がないケースは入会を認めるか、議論が必要だ」と話す。過去には婿養子になった男性を会員として認めなかった事例がある。

 賛成した理事は「女性の入会希望自体、画期的なこと。地域に貢献する活動をしながら、前例がないからと性別で区分けする閉鎖的な組織でいいのか」と問題提起。入会を申し込んだ女性の1人は「久米村人(クニンダンチュ)であることに誇りがある。会員としてさまざまな事業に参加し、伝統文化を広めたい」と語った。

 会は19日の総会で会員に幅広く意見を聞いた上で、それ以降の新理事会体制で女性の入会や会員要件の中身を検討していく考えだ。

説明尽くして

 会員を男性に限定する背景について沖縄女性史家の宮城晴美さんは、男系の継承を重視する沖縄社会の伝統や思想があると指摘する。税制上の優遇措置などがあり行政庁の監督を受ける公益法人に比べ、久米崇聖会は一般社団法人で自由に事業が行える。宮城さんは「長い会の歴史に第三者がたやすく踏み込めない部分もあるが、少子化や核家族化が進む中で、慣習を乗り越え女性にも門戸を開く議論のきっかけにしてほしい」と投げ掛ける。沖縄弁護士会で両性の平等に関する委員会委員長を務める村上尚子弁護士は「理事会には会員が納得できるような、合理的な説明が必要だろう」と話した。

[ことば]

 久米崇聖会 14世紀後半に中国から渡来した久米三十六姓は、現在の那覇市久米周辺に久米村(クニンダ)を形成し琉球王国の交易や文化を支えた。久米崇聖会はその子孫たちが1914年に創立。儒教の祖・孔子をまつる久米至聖廟(しせいびょう)をはじめとした施設の管理、祭祀や講座の運営などを担っている。