大型連休の前半、那覇市の鳥獣保護区、末吉公園で夜の自然観察会があった。家族連れ約20人が県都の夜景を望む高台を出発し森を歩いた

▼暗闇の中、五感が鋭敏になる。フクロウの仲間、アオバズクが「ホー、ホー」と鳴き、クチナシの花が甘く香る

▼目が慣れ始めたころ、飛びながら黄色く点滅するクロイワボタルに出合った。土に巣穴を掘るキムラグモ、水辺のカジカガエル、川の淵に潜むオオウナギ…。親も子も夢中で生き物を見つけ、真剣な表情で見入った

▼内閣府の2016年度生物多様性認知度調査によると、成人の自然環境への関心は10年前と比べ大幅に低下している。高い関心を持つ層が6割減となった一方、全体の1割だった無関心層は3割に達した

▼市環境保全課の賀数弘さん(59)は「親たちも自然の中で遊んだ体験が乏しい」と説明する。1970年代以降、地域の「里山」が激減し、水辺は「汚くて危険な場所」になった。野山を歩いたり川で遊んだりしなかった世代が親となり、次世代を育てる時代。身近な自然の価値や魅力を親子で感じる体験が重要になっている

▼生き物を見つけ、凝視する子どもたちの目は好奇心でキラキラしていた。実物を見て触って感じる中で芽生えた疑問が、学びの原点になる。自然を畏怖し、自然から学ぶ謙虚さに立ち戻りたい。(田嶋正雄)