県内の公立高校が、2015年度と16年度に妊娠や出産を把握した女子高校生は159人で、そのうち14%に当たる22人が自主退学していたことが分かった。

 調査は17年、文部科学省が全国の公立高校に対し初めて実施した。全国では妊娠・出産した女子生徒2098人のうち、32人が学校の勧告を受けて退学(県内ゼロ)し、自主退学は全体の30%に当たる642人に上った。県内女子生徒の妊娠・出産による学業の中断は、他県に比べて少ないと言える。

 一方、産前産後を除き継続して通学した女子生徒は県内26%で、全国の37%に比べ10ポイント以上も少なかった。県内の妊娠・出産を理由にした進路変更で最多は転学の4割(全国8%)で、妊娠・出産が女子生徒の学業に大きな影響を与えていることが分かる。

 妊娠・出産と学業の両立は可能だが、それには病院との連携や託児所の設置・紹介など、学校での支援体制が欠かせない。妊娠・出産を理由に多くの女子生徒が、何らかの進路変更を余儀なくされている実態からは、そうした支援の不十分さが浮かび上がる。

 妊娠には男性の存在が不可欠で、男子高校生が関わっている可能性もある。女子生徒だけ不利益を被るような学校の在り方は、教育の機会を奪うに等しい。

 調査結果を受け文科省は、全国の教育委員会に対し安易に退学勧告をしないよう通知。妊娠した女子生徒には、体育の授業で実技の代わりに見学を認めることや、すでに退学した生徒については実家に進路状況を問い合わせることなどを求めている。

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 妊娠・出産に関しては市町村の保健指導や育児支援があるが、望まない妊娠や予期せぬ妊娠で周囲から孤立している高校生はじめ10代女性には届きにくい。

 全国の児童虐待による死亡例のうち出産した日に死亡する「0日死亡」は、03年7月1日~16年3月末までに34例あり、加害者として最も多い母親の年齢は10代(28%)だった。

 新生児の遺体を遺棄したとして、千葉県警が沖縄の無職の少女(16)と、交際相手だった千葉市の少年(17)を死体遺棄容疑で逮捕した事件は記憶に新しい。少女が今年4月、沖縄県内で知人に「千葉で赤ちゃんを産んだ。死んでいたので遺体を隠した」と話し事件が発覚したという。

 15年には沖縄本島中部で生後間もない女児が置き去りにされ、中学3年生の女子生徒が逮捕された。

 相次ぐ事件からは「誰にも相談できない」少女たちの苦しみが伝わる。

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 内閣府は、沖縄子供の貧困緊急対策事業の一環で、新たに若年妊産婦に特化した居場所事業の検討を始めた。運営自治体の一つとして沖縄市が名乗りを上げている。

 支援事業の充実はもちろんだが、重要なのはいかにして一人一人に届けるかだ。相談を待つだけで母子を救えないことは、これまでの事例が示している。学校との連携など当事者に寄り添った対応が求められる。