3月末から続く麻疹(はしか)の感染拡大の影響で沖縄への旅行のキャンセルが相次いでいる。県観光振興課によると2日までに、キャンセル数は573件、3558人までに増えた。県内の観光業関係者は旅行キャンセルへの対応や従業員への感染予防などの対策に追われている。一方、感染症専門の医師は、はしかは予防接種で防げるため、「旅行客も観光関係者も冷静な対応が必要」とし、接種を呼び掛けている。(政経部・仲本大地)

麻疹(はしか)の感染拡大を防ぐにはの予防接種が効果的対策となる。

はしか予防策について語る県立中部病院の高山義浩医師=1日、県立中部病院

麻疹(はしか)の感染拡大を防ぐにはの予防接種が効果的対策となる。 はしか予防策について語る県立中部病院の高山義浩医師=1日、県立中部病院

 ホテル関係者によると、大型連休が始まった4月末も旅行客の宿泊キャンセルが相次いだ。そのため空き室を特別に割引価格で販売するなどしているという。また、大手旅行社では団体客のキャンセルが続いており、旅行の延期を提案したり、感染状況の問い合わせに対しても、県からの感染予防の情報を伝えるなど、対応に追われている。

 沖縄観光コンベンションビューローや那覇空港ビルディング、航空会社は、旅行客と接する機会の多い従業員に予防接種費用を負担して、感染拡大防止策に乗り出した。

 県立中部病院感染症内科・地域ケア科の髙山義浩医師は「はしかは予防接種で防ぐことができるので、旅行客も観光関係者も冷静に対応してほしい」と話す。

 髙山医師によると、免疫力を体に定着させるには2回の予防接種が必要だが、1回でも数年間の予防効果は期待できる。そのため、旅行前日でも予防接種歴を確認した上で、接種するよう勧めている。はしか患者と接触後の接種であっても「一定の予防効果が期待できる」とも。

 今回、台湾からの観光客がきっかけとなり、感染拡大が始まった。ただ、はしかの初期症状は風邪に似ており、発症後3~4日経過しないと発疹は出ないため、発症初期にはしかと判断することが難しい。

 さらに、空港や港湾など入国時のサーモグラフィー検査だけでは旅行者のはしかの有無を判断できず、水際で「感染源」を排除するのは難しい。いったん沖縄に入ってしまえば、県民を巻き込んでまん延させてしまうリスクが付きまとう。

 髙山医師は「今後も観光客が増えるので、県内の予防接種率を上げることが感染を抑えるのに有効だ。県が県民に予防接種状況の把握を呼び掛け、予防接種を促すことが重要だ」と話した。