【東京】国連教育科学文化機関(ユネスコ)の諮問機関が、日本政府が世界自然遺産に推薦した「奄美大島、徳之島、沖縄島北部および西表島」(鹿児島、沖縄)について「登録延期」を勧告したことを受け、環境省は4日会見し、2016年に過半が返還された北部訓練場を推薦地に加え、基準に満たない小規模地域を除くなど再調整が求められたと明らかにした。

沖縄県内最長の19キロを誇る浦内川には、国内最多407種の魚類が生息。大河の恵みが西表島の希少種・固有種を守り育む(2017年、小型無人機で撮影)

 国際自然保護連合(IUCN)の勧告では、4島には絶滅危惧種や固有種の種数や割合も高く、世界的な絶滅危惧種の保護のためにかけがえない地域と認め、生物多様性の基準には合うことが示された。推薦地域に含まれていない北部訓練場返還地も同様の価値があるため、種の長期的保護などのために推薦地に統合するよう指摘。推薦に値しない不適切な区域を除去すれば「評価基準に合致する可能性がある」と登録を延期して構成地域を練り直すよう提起した。

 一方、生態系の基準では、4島は大陸などの進化過程の顕著な例を保護しているとは認められたが、細かく分断されている地域があるため生態学的な持続可能性に懸念があり「評価基準には合致しない」と判断された。

 政府は、勧告内容をさらに分析し今後の対応を検討する。IUCNの勧告に事実誤認があれば、6月8日までに世界遺産委員会に文書を提出する。推薦を取り下げず、委員会構成国から発言を求められれば、説明する機会ができるという。