中部地区の有効求人倍率が1倍に乗った。復帰後初である。2月に「1」となり3月は「1・02」と微増した。県内5地区で「1」に唯一届かなかった中部地区が遅れて達した

▼ハローワークで仕事を探す1人当たりの求人数を示す値。県全体ではリーマン・ショック翌年の2009年度に「0・28」と落ち込んでから上向きに推移する

▼全国トップの東京と2倍近い開きがあるものの沖縄は昨年度「1・13」で過去最高を5年連続更新した。中部地区の有効求人倍率が伸び悩む背景に何があるのか

▼中部地区は宜野湾から宜野座、恩納までの11市町村。コザ信用金庫の景気リポート担当者はそもそもの地域性を指摘する。景気が上向く那覇地区が通勤圏内にあることによる雇用流出やハローワークを通さずに知人を通した採用が多いとみる

▼中小零細企業で高齢化する創業者に代わる後継者を育てる課題はある。しかし現状を決して悪くみていない。観光の恩恵が少ないとされた中部地区だがスポーツキャンプは増え、2月のホテル客室稼働率は夏場を上回った。建設業などで深刻さを増す人手不足は雇用につなげる機会でもある

▼職業別では福祉や介護サービスで2倍を超える。課題は希望する職とのマッチングや雇用の質の向上だ。現状をひもとくことでやるべき施策はみえてくる。(溝井洋輔)