【八重山】八重山諸島で確認された新種キノコ16種や、不思議な光を放つ希少キノコを掲載した学術本「南西日本菌類誌」が2月末、東海大学出版部から発刊された。琉球大学熱帯生物圏研究センターの寺嶋芳江教授が監修。記載された35種のうち新種は21種で、県内のみで確認された新種の17種はほとんどが八重山諸島だった。

 光るキノコは新種5種が県内で発見された。寺嶋教授が2012年、与那国島のクバの林で見つけたコンルリキュウバンタケは根元が美しい瑠璃色で、夜には黄緑色の発光が確認できる。

 石垣島のバンナ公園で確認され、「モリノアヤシビ(森の怪火)」と命名された新種は広葉樹の腐木に年間を通じて比較的容易に観察でき、全体が発光する。

 新種のリュウキュウマツカサキノコは、一般的な生物が苦手とする松ヤニを分解する独自の機能をもち、松ぼっくりから発生。寺嶋教授は「松ヤニの成分リグニンは虫よけ効果がある。他の生物が敬遠する環境に適応した珍しいキノコ」と指摘する。

 寺嶋教授によると、固有の原生林が残る八重山など、琉球列島のキノコは知られていない種も多く、キノコが光る仕組みや理由もいまだ解明されていない。「沖縄の自然はまだ未解明。自分たちの足元に不思議な世界が広がっていることを知ってほしい」と興味・関心を持つよう促している。本の問い合わせは東海大出版部。電話0463(58)7811。