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  • パンクラス3階級覇者の砂辺光久さんが障がい児入所施設を開所
  • 中学生の時、腎不全で「一生運動できない」と言われた経験が土台
  • 「ハンディキャップがあるからといって夢を諦めてほしくない」

 総合格闘技団体パンクラスで3階級を制した砂辺光久さん(36)=那覇市=が1日、障がい児入所施設「放課後等デイサービス クロスライン」を同市首里に開所した。中学生の時に患った腎不全を乗り越えた経験を土台に、「子どもたちの無限の可能性に寄り添う」ための一歩を踏み出した。

CROSSLINE代表取締役の砂辺光久さん(中央)。看護士の小濱美穂さん(左)、プロキックボクサーで指導員の新垣大輔さん(右)とともに新たなスタートを切る=2日、那覇市首里鳥堀町・放課後等デイサービスクロスライン

初代ストロー級王者になった砂辺さん(右)=2015年10月1日、東京・ディファ有明(佐佐木澪さん提供)

CROSSLINE代表取締役の砂辺光久さん(中央)。看護士の小濱美穂さん(左)、プロキックボクサーで指導員の新垣大輔さん(右)とともに新たなスタートを切る=2日、那覇市首里鳥堀町・放課後等デイサービスクロスライン 初代ストロー級王者になった砂辺さん(右)=2015年10月1日、東京・ディファ有明(佐佐木澪さん提供)

 同施設は障がい(自閉症、発達障がい)がある児童の療育の場。クロスラインでは「体操・運動・ダンスの時間」を取り入れ、家族に代わり一時的にケアする家族支援の「放課後の居場所づくり」を目指す。

 「あの子たちの笑顔が忘れられない」。砂辺さんの転機は昨年8月。格闘技活動の支援者である尾崎明日紀さんに招待されて訪問した愛知県の障がい児通所施設「陽だまりの丘」の子どもたちとの出会いだった。

 その子どもたちと、自身の少年期を重ねた。中学のころ、パンクラス創立者で格闘家の鈴木みのるさんに憧れ格闘家を志した。しかし学校の尿検査で腎不全と診断され「今後一生運動はできない」と言われた。それでも夢を追い、病気に打ち勝ち、格闘技を続けチャンピオンに。「ハンディキャップがあるからといって可能性を諦めてほしくないし、僕も諦めたくない」

 理想と現実は違うが、理想を求めて続ければ「理想とする現実」に近づけると信じる。「この場所で人と人が交わり、児童療育のきっかけがつくられる。そんな場所を仲間とともに提供したい」。格闘家の鋭い目線が、一層輝いた。(社会部・知花徳和)