東日本大震災で社屋が被災しながら、手書きの壁新聞を6日間発行した宮城県の石巻日日新聞社と一般社団法人キッズ・メディア・ステーションが発行する「石巻こども日日新聞」が11日、創刊4年を迎え第17号を出す。子どもたちは新聞制作を通じて被災地の今と将来を伝えている。

編集会議で意見を述べ合うこども記者たち。キッズ・メディア・ステーションのスタッフが編集作業をサポートする=2015年11月15日、宮城県・石巻ニューゼ(同ステーション提供)

 同ステーション代表理事で石巻市出身の太田倫子さんは震災直後、周囲に気を遣い感情を抑える子どもたちの現状を危惧した。「子どもらしく表現したり笑ったりしてほしい。その機会を提供したい」との思いで、子どもたちが自ら情報発信する媒体を発行する企画を同社に持ち掛けた。2012年3月11日に創刊されたこども新聞は市民や子ども記者をサポートする国内外の読者(発行数5万部)に石巻の復興の様子を伝え続けている。

 発行4年目を迎え子どもたちの取材活動にも変化が出てきた。「最初は被災した状況を読者に伝え、支援を受けたことに対する感謝の気持ちが子どもたちには強かった」。だが、現在は「助ける側になりたいという意識が芽生えてきたように思う」と太田さん。

 14年に発生した広島県の大規模土砂災害の現場を取材したいと、中学生記者が現場取材に出向いたり、石巻で集めた募金を広島市に直接手渡したりした。15年のネパール大地震の募金活動も行った。

 「子どもたちがアクションを起こすための機会や情報を提供し続けたい」。太田さんは石巻の未来を担う宝に寄り添い続ける。(社会部・知花徳和)