地域の子どもたちに無料や格安で食事を提供する「子ども食堂」が、県内各地で立ち上がっている。沖縄タイムスのまとめでは2日までに、8市町の児童館や民間施設など18カ所でオープン。ボランティアらの協力で温かい手作りの味が振る舞われている。内閣府や県が子どもの貧困対策に本腰を入れ始めたこともあり、食を通した居場所づくりは今後、各市町村で広がりそうだ。(社会部・新垣綾子、特別報道チーム・田嶋正雄)

 県内の子ども食堂は昨年5月、沖縄市で始動した「NPOももやま子ども食堂」が初めて。開所の動きは年末にかけて顕著となり、沖縄市と那覇市に4カ所ずつ、浦添市には3カ所できた。活動は週1、2回が主流だが、NPO法人プロミスキーパーズが運営する「ゆがふぅ子どもサロン」(沖縄市)は年中無休。大半はフードバンクや外部から、食材や金銭の寄付を受け運営を保つ。

 浦添市立森の子児童センターでは、元塾講師と大学生が週2回2時間程度、中学生らに無償で勉強を教えるのに合わせて食事を無料で提供。ほぼ毎日、軽食を用意する同市立宮城ヶ原児童センターは食育にも力を入れ、月1回は利用者に食育講座と調理実習を体験してもらう。「孤食解消とともに、食べることが生きる力につながることを学んでほしい」と池原千佳子館長。与那原町の「つなひき塾」は朝食をしっかり食べてもらうため、午前6時半から始まる。

 「食を切り口に問題を抱えた子どもたちにつながれる」。そう意義を話すのは、那覇市で月1回「ほのぼのヒロバ」を開く中心メンバー、にじのはしファンドの糸数未希代表だ。「4月以降は月2回に増やし、困り事の相談を受ける取り組みも考えたい」と意気込む。ただ現状は事業所の一角を無償で借りられたから成り立つ活動。「児童館など公的施設をもっと活用すれば学校区に1カ所、気軽に立ち寄れる拠点になるのではないか」と投げ掛ける。

 ももやま子ども食堂の鈴木友一郎理事は広がりに驚きながらも、「大人も子どもも、みんなで一緒にご飯を食べたがっていると実感できた」と手応えを語る。「食事提供だけでは不十分で、自治会や学校などとの連携も必要。求められる役割は何かを考えながら、細く長く活動を続けていきたい」と見据えている。