【平安名純代・米国特約記者】ハリス米太平洋軍司令官が米上下両院軍事委員会の公聴会で、米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設が予定よりさらに遅れ、2025年になる見通しを証言した。日本側は米軍高官の「本音論」を即座に否定し、計画は予定通りと強調するなど波紋を広げている。

米上院軍事委員会が2月23日に開いた公聴会で、米軍普天間飛行場の移設の遅れを証言するハリス米太平洋軍司令官

 「23年までに代替施設が完成するという予定だったとすれば、2年余り遅れている」

 上院軍事委が2月23日に開いた公聴会で、ハリス氏は辺野古移設の新たな完了時期は「2025年」と米軍幹部として初めて公式に表明した。

 菅義偉官房長官は計画は予定通りだと強調し、「わが国からしかるべき抗議をしているところだ」と打ち消しに躍起になったが、ハリス氏の発言は新基地建設の現状を反映させた米側の最新計画に基づいたものだった。

 米海兵隊は先月公表した「海兵隊航空計画2016」の中で新基地建設について、25年9月までに実施予定の10の主要施設の工程を明記。滑走路建設の着工年を初めて盛り込む一方で、昨年度版で18年度と記していたオスプレイの格納庫建設を3年先送りし、21年度に修正した。

 向こう10年間の海兵隊の配備計画などを記した同報告書は、米議会に予算の審議資料として提出されており、米側が少なくとも25年9月までの建設を予定していることが分かる。

 ハリス氏の発言について、国防総省筋は沖縄タイムスに対し、「日米両サイドの政治と切り離して現実を語った米軍の本音論」と分析。「(ハリス氏の発言に対する)沖縄の反発は承知しているが、米軍内には普天間は現状維持でも構わないという声もある」と述べ、法廷闘争に発展した普天間移設への熱意が冷めている内情をそう漏らした。

 県は19年2月までの普天間の運用停止に向けた行程表(ロードマップ)の作成に意欲を示すが、米側では「日本国内の事情」として視野にすら入っていない状況だ。