約1・6キロの那覇市・国際通りとその周辺で大型チェーンなどのドラッグストア14軒がしのぎを削る。全国でもほとんど例がないといわれる「密集地帯」。やみくもに商品を大量に購入した「爆買い」は少なくなり、アプリなどで詳しい商品情報を得て来店するインバウンドの好みや売れ筋をいち早くつかむ対策が厳しい競争の分かれ目になっている。(社会部・徐潮)

ドラッグストアで買い物をする観光客=4月25日、那覇市・国際通り

■安価で上質

 国際通りのドラッグストアのレジで、地元・国内客向けは1台で、ほかの数台は免税対応のインバウンド向けになっているのがほとんどだ。美白のマスクや風邪薬を持ちながら、ストアを歩き回る中国西安からの張楠さん(34)は「日本の薬局は商品の種類が多くて、安価で上質なのでいい」とドラッグストアで買い物する理由を話した。

 「多い日は、『龍角散』ののど飴が1日500品も売れる」というココカラファイン(神奈川県)の沖縄地区統括店長の中野真也さん(47)は「元々は地元の人向けだったが、今は免税がメイン」と説明する。

 また、7割近くの中国語圏の観光客に対応するため、5人の中国語スタッフを雇っている。英、韓、露など5カ国語に対応できる通訳のタブレットも投入。その他、中国語圏で有名な女優が商品を紹介するビデオやポスターも店内に掲示する。

■アプリで確認

 かつての「爆買い」から消費動向も大きく変わっているという。「お客さまはよく研究している。自分に合ったものだけを買うようになった」という。中野さんは中国国内の外国商品紹介のアプリを日に数十回もチェックする。「人気商品が出たらすぐ在庫を用意するなど対応している」と述べた。

 国際通りのドラッグストアが集中化している現状に対し「情報収集など顧客の常に変化している価値観に早く対応できることこそが生き残る道だ」と自信を見せている。

■つぶれた店も

 国際通りの近くにある薬局の60代店主は那覇市主催の中国語の無料講座に何回か参加したが、「難しくて諦めた」。外国語で薬などの詳しい説明ができないから、観光客への商売が難しい。外国人スタッフやクレジットカードといった支払い環境なども整えていない。

 「全国の企業がいっぱい入っているから太刀打ちできない。地元の商売は難しいよ。つぶれてしまった薬局もある」と語った。