米軍嘉手納基地(沖縄県)から派生する騒音被害で、転出せざるを得なかった住民から防衛省が買い上げた嘉手納町屋良の遊休地が「町民農園」として整備され、4月27日に開園式があった。転出後の利活用が決まらないまま地域に点在する家屋跡地をどうするかは長年の懸案で、町が遊休地の公共施設整備に乗り出すのは初めて。開園式で當山宏町長は「利活用の検討を重ねてきた土地。農園を有効活用してほしい」と期待を込めた。

開園を喜ぶ當山宏嘉手納町長(右から3人目)、中嶋浩一郎沖縄防衛局長(同2人目)ら関係者=4月27日、嘉手納町屋良・町民農園

全78区画 町民に貸し出し

 防衛省の補助金で町が整備した農園の面積は0・2ヘクタールで全78区画。世帯ごとに1区画ずつ貸し出す。トイレや給排水設備も備え、既に希望の世帯で全区画が埋まった。沖縄防衛局の中嶋浩一郎局長も「農業という同じ趣味を持つ方々が集い親しみ、地域の皆さんと新たな価値を生み出す場になってほしい」と喜んだ。

 利用開始初日の1日には、午前8時半から農作業に汗を流す利用者の姿が見られた。その一人、町中央の上地義次さん(67)はキュウリやピーマンなど夏野菜を育てる考え。「戦闘機が旋回すればうるさいけど、やっぱり広い畑はいいね」と目を細め、「年寄りの憩いの場になってほしい」とスコップ片手に肥料をまいた。

大半は遊休地のまま

 一方、騒音が激しく防衛省が買い上げた町内の土地約1・9ヘクタール(2014年7月時点)の大半は、依然として遊休地のまま。家屋1軒分の面積の土地で、さらに「虫食い」のように点在するため、利活用が限られるためだ。

 遊休地が集中する東区の仲宗根朝也自治会長は「今後も区民や他自治会の声を聴きながら、お年寄りに限らず子どもたちも遊べる幅広い利活用案を町に挙げたい」と語った。