国連安全保障理事会は2日午前(日本時間3日未明)、核実験や事実上の長距離弾道ミサイル発射を強行した北朝鮮に対する制裁決議案を全会一致で採択した。

 1月6日に北朝鮮が4度目の核実験を行ってから2カ月近く。各国の思惑から協議は難航したものの、国際社会がようやく結束を示した。

 ただ、制裁決議は、北朝鮮に核・ミサイル開発を断念させ非核化に導くための第一歩にすぎない。制裁が確実に効果を挙げられるよう、加盟各国に履行の徹底を求めたい。

 今回の制裁決議の内容は、北朝鮮への航空機・ロケット燃料の原則輸出禁止と、外貨獲得源となっている北朝鮮産の石炭や鉄鉱石など鉱物資源の一部輸入禁止が柱だ。北朝鮮を出入りする全ての貨物の検査の義務化、北朝鮮の銀行による国外での新規支店・営業所開設禁止も盛り込んだ。

 核・ミサイル開発に関係する人・金・モノの流れを断つ狙いがあり、「過去20年以上で最も強力な制裁」(パワー米国連大使)という。

 過去の制裁では、積み荷を偽装したり、架空会社が関与したりするなど、北朝鮮側の制裁逃れが指摘されてきた。最大貿易国である中国が履行を徹底せず、実効性が伴わなかった経緯もある。

 今回の制裁も「国民の生活に影響が及ばない範囲」との制限があり、人道目的を「抜け穴」とする恐れがある。実効性の鍵を握るのは中国だ。北朝鮮の軍事的強行姿勢は東アジアを不安定にすると認識し、厳格に臨んでもらいたい。

■    ■

 制裁と併せて必要なのは、外交によって北朝鮮の非核化を目指す戦略だ。

 関係する国の思惑には開きがある。中国やロシアは北朝鮮の核問題をめぐる6カ国協議の再開を求めており、圧力より対話を重視する姿勢を鮮明にしている。一方、日米韓は厳しい制裁で圧力を強めたい考えだ。その隔たりは大きい。

 北朝鮮の出方は予測が難しいが、制裁だけで核・ミサイル開発を放棄するとは想定しにくい。孤立を深めて対決姿勢を強め、さらなる核実験へと暴走する可能性すらある。制裁の効果を見極めつつ、北朝鮮との対話の場を再構築するよう並行して取り組むべきだ。

 北朝鮮の核実験を受け、韓国では与党幹部が「韓国も自衛レベルの平和的な核を持つときが来た」と発言するなど、核保有論が浮上している。北朝鮮に対する懸念は理解できるが、力に力で対抗しようとする論調は緊張を高めることにしかならない。

■    ■

 気になるのは北朝鮮の動きだ。

 3日午前、北朝鮮東部から短距離の飛翔(ひしょう)体6発が日本海へ向け発射された。短距離ミサイルかロケット弾とみられ、決議採択に反発した可能性がある。

 7日には過去最大規模の米韓合同軍事演習が始まる。5月には36年ぶりとなる党大会を控えている。金正恩第1書記が権威を誇示するために軍事的行動を取る懸念がある。関係国が協調して緊張を解く道を探ってほしい。