【大宜味】国の重要無形文化財に指定されている芭蕉布の生産で知られる大宜味村喜如嘉で、芭蕉の木が切られるなどして畑が荒らされていたことが3日、分かった。名護署が器物損壊事件とみて調べている。

幹ごと切られた芭蕉の木=3日、大宜味村喜如嘉の芭蕉畑(西江千尋撮影)

 荒らされたのは、喜如嘉芭蕉布事業協同組合の平良美恵子理事長(67)が所有する畑。2月19日午前11時ごろ、視察で訪れていた文化庁や県教育庁職員らに畑を案内していた際、発見した。

 平良さんによると、人目に付かない畑の中心部分の約21・6平方メートルで123本が切られ、被害総額は約18万円。現場には、20センチほどの模造の日本刀のかけらのようなものや、ライター、トイレットペーパーの芯に芭蕉の皮を詰めて燃やしたとみられるものが落ちていたという。

 芭蕉布を織る糸となる繊維は1メートル以上のものを使うため、今回、切られた木は原料には使えないという。今回の被害は芭蕉布の生産に大きな影響を与えるものではないが、着物1着分、帯2本分、テーブルセンターなどの小物15枚ほどができる量だという。

 平良さんが昨年11月18日に畑に入ったときは荒らされていなかったため、その後の犯行とみられる。

 平良さんは「10年ほど前に葉を盗まれることはあったが、このように荒らされるのは初めて」と困惑、「悪ふざけなのか分からないが、貴重な原料を簡単に傷つけられたのが悲しい」と話した。畑の近くに住む60代女性は「刃物が出てきたと聞いたので、怖い」と顔をしかめた。