「だるまちゃん」シリーズや科学絵本などで知られ、戦後の児童文学に大きな功績を残した絵本作家で児童文化研究家の加古里子(かこ・さとし、本名中島哲=なかじま・さとし)さんが2日、慢性腎不全のため神奈川県藤沢市の自宅で死去していたことが7日、分かった。92歳。福井県出身。葬儀・告別式は親族のみで行った。後日しのぶ会を開く予定。

加古里子さんの絵本「だるまちゃんとキジムナちゃん」

加古里子さん

加古里子さんの絵本「だるまちゃんとキジムナちゃん」 加古里子さん

 おおらかでユーモラスな作風で幅広い層に愛され、「だるまちゃんとてんぐちゃん」に始まる「だるまちゃん」シリーズは累計約390万部、「からすのパンやさん」は240万部以上を発行している。

「どうしても伝えておきたい」

 加古里子さんは今年1月、沖縄戦で大きな犠牲を出し、今も米軍基地の存在に苦しむ沖縄の人たちへの思いを込めた絵本「だるまちゃんとキジムナちゃん」(福音館書店)を発売していた。

 キジムナちゃんは以前から、だるまちゃんの「友達候補」で、昨年3月、加古さんが沖縄の現状に胸を痛め「どうしても伝えておきたい」と描いた。

 絵本の最後のページには、キジムナちゃんが登場したことについて「古い伝承への敬意と、戦中戦後、今なお続いている沖縄の方々のご苦労に対しての、ささやかな謝意と、同志的応援のつもりです。受けて頂ければ幸いです」とつづられている。