【東京】安倍晋三首相は4日、名護市辺野古の新基地建設をめぐる代執行訴訟で、福岡高裁那覇支部(多見谷寿郎裁判長)が示した工事中止を含む和解案を受け入れると表明した。沖縄県側も受け入れ、和解が成立した。一方、安倍首相は首相官邸で記者団に「辺野古が唯一の選択肢であるという国の考え方に変わりはない」と従来の方針を強調した。政府は県との再協議に入るが、新基地をめぐる考え方には依然大きな隔たりがある。

和解条項の骨子

和解後の手続き

和解条項の骨子 和解後の手続き

 県と国は早ければ来週にも和解調書に調印して正式合意する。その上で訴訟や審査請求を取り下げる。

 首相は受け入れた理由を「国と沖縄県が訴訟合戦を繰り広げている関係が続けば、結果として普天間基地が固定化されかねない」と述べた。「円満解決に向け県との協議を進める」とする一方、協議決裂後の訴訟を念頭に「司法判断が下された場合は、国も沖縄県もその判断に従う。互いに協力して誠実に対応することで合意した」とも語った。

 和解条項では、国と県がそれぞれ起こした訴訟を取り下げた上で、沖縄防衛局は承認取り消しに対する審査請求を取り下げ、辺野古での埋め立て工事を直ちに中止するとした。

 その上で、知事の埋め立て承認取り消し処分に国が是正指示を出すところから手続きをやり直す。知事は是正指示に不服があれば国地方係争処理委員会へ申し出、認められない場合や、是正指示が「違法」と判断されたにも関わらず国が是正指示を撤回しない場合は地方自治法に基づき取り消し訴訟を提起する。

 また、この取り消し訴訟の判決には双方が従うとし、判決確定までは「円満解決に向けた協議を行う」ことでも合意した。

 政府は外交ルートを通じて米側へ和解することを伝えた。

 防衛省は、現在海上で進めているボーリング調査を中止する方針。キャンプ・シュワブ内の浜では4日午後4時すぎ、海上保安庁のゴムボートが使っていた浮桟橋が撤去された。

 県と住民側が国を訴えた二つの抗告訴訟の第1回口頭弁論が4日、那覇地裁(鈴木博裁判長)で開かれた。