「おもてなしや治安の良さ、公共交通の正確さは、観光資源にならない」。これまでPRされてきた日本観光の魅力を、根底からひっくり返すような言葉が鋭い

▼那覇市で講演した英国人で、文化財の修繕を手掛ける小西美術工藝社(東京)社長のデービッド・アトキンソン氏。元金融アナリストで、日本の銀行の不良債権を算出した異色の経歴を持つ

▼「おもてなし」は、滝川クリステルさんが東京五輪誘致のプレゼンテーションで使い、火が付いた。県観光振興基本計画では「県民のおもてなしの心」とあり、佐賀県にはおもてなし課も。観光を語る言葉として定着している感がある

▼アトキンソン氏は「世界に誇るおもてなし文化」を目当てに日本観光に来る外国人はほとんどいない、都合よく解釈(勘違い)したおもてなしを押し付けている-などと著書「新・観光立国論」でも指摘

▼日本は自然、文化、気候、食事の観光大国の4条件すべてがそろっているが、大量安売り傾向があり、高級ホテルが少なく富裕層に対応できず、多様性に欠けるとする。これは沖縄にも当てはまる

▼外国人の目線からの発言は、的を射ているようにもみえる。常識を覆すような同氏の主張が観光業界の「黒船」となり、日本の意識改革につながるか、興味は尽きない。(玉寄興也)