中川雅治環境相は8日の閣議後会見で、世界自然遺産を目指す「奄美大島・徳之島・沖縄島北部および西表島」(鹿児島・沖縄)について国連教育科学文化機関(ユネスコ)の諮問機関から「登録延期」が勧告されたことを受け、今年の登録は「極めて難しい」との見解を示した。ただ早期登録を目指す方針に変わりはなく、申請書の修正で対応可能か、再推薦するかを速やかに判断する。

朝焼けのやんばるの山々=2017年11月6日、国頭村

 諮問機関である国際自然保護連合(IUCN)は、米軍北部訓練場の返還地を推薦地に加えるなど再構成することで「合致する可能性がある」としている。登録の可否は、6月24日から7月4日までバーレーンである世界遺産委員会で審査される。

 IUCNの勧告に事実誤認があれば政府は修正を求めることができるが、推薦区域の変更はできない。北部訓練場跡地のやんばる国立公園への追加は7月がめどで、中川環境相は「委員会が開かれる段階では、国立公園の編入手続きを済ませることはできない。登録はかなり難しい」との認識を示した。

 また、「延期」勧告を覆して登録された文化遺産の石見銀山(島根)の事例もあるが、今回は「申請自体を変えなければならず、覆る可能性は難しいのでは」と述べた。

 環境省は「最短で有利に登録できる」方法を練っており、勧告内容を分析して関係自治体や専門家と協議し決定する。中川環境相は推薦を取り下げず、「修正という形で審査の期間を短縮できるのか、当局(IUCN)と相談したい」と説明。「登録延期」から「情報照会」に格上げされ、来年夏に再審査の可能性を見極める考えを示した。

 そのまま「延期」決議がされると、政府は推薦書を出し直さなければならない。IUCNの意向が「新たに出し直すべきだとなれば、対応しなくてはならない」とも述べ、取り下げも選択肢と説明した。再提出すると、最速でも次の審査は2020年夏になる。