私らしく、はたらく(18)吉戸三貴

 大学を卒業してのぞんだ就職活動はほぼ全滅。その後も、沖縄や東京でさまざまな仕事をしてきた私は、これまで数えきれないほど履歴書を書いてきました。いまはパソコンで作って印刷することも多いですが、当時はほとんど手書きだったので、書き損じて用紙がなくなり深夜のコンビニに走ったこともあります。

 最初は、一日も早く仕事を見つけて書くのをやめたいと思っていたのですが、あるとき不思議なことに気が付きました。履歴書を書き終わると、なぜか少しスッキリするのです。以来、就活を終えてだいぶたった今でも「履歴書デトックス」(と命名)は私の定番になり、悩んだり自信をなくしたりした時には必ず実践するようになりました。方法はとても簡単。用紙とペンを準備したら、三つのステップで書いていきます。

 ステップ1は「事実を書く」。最初に、2000年A高校卒業、英検2級など、学歴と職歴、資格の欄を埋めましょう。キャリアの棚卸しをすることで、客観的に自分を見つめ直すことができます。基本情報から手をつけるのは、考えずに書き始められるから。次のステップに進むための準備運動のつもりで、サッと仕上げます。

 ステップ2は「行動を書く」。B社では秘書として上司のスケジュール管理を担当した、C社では広報担当として新商品のPRを成功させたなど、ステップ1の職歴に沿って、具体的な実績や経験を加えます。事実から一歩踏み込み、果たした役割などを書き出すことで、自分の得意なことや頑張ってきたことが見えてきます。

 ステップ3は「思いを書く」。ここでは、長所や短所など主観的な部分を書きます。キャリアの棚卸しが目的なので志望動機は不要です。そのかわりに、「沖縄の良いものを県外に発信する仕事がしたい」など、やってみたいことを素直に言葉にしてみましょう。「あ、本当はこんなことがしてみたいんだな」と気付けることがあります。

 履歴書は、就職や転職の時だけではなく、自分の強みや仕事への思いを再確認するのにも役立ちます。日々働く中で、「私、本当は何がしたいんだろう」「ちゃんと頑張れているのかな」と迷うことがあったら、まずは1枚書いてみませんか。意外な発見があるかもしれません。(コミュニケーションスタイリスト)