「ちいさい秋みつけた」や「手のひらを太陽に」の歌で知られ、結成60周年を迎えた国内男声コーラスグループの草分け的存在・ボニージャックスのコンサートが8日夜、沖縄市内であった。沖縄県内約30年ぶりの舞台のアンコールで披露されたのは、山城誠美さん(57)=うるま市=が39年前につづった詩から生まれた曲「手のつかえない花嫁」。脳性まひで手足が不自由な山城さんが18歳で抱いた結婚への思いや何事にも挑戦する気持ちが込められた歌詞。4人の円熟したハーモニーに乗って集まった人を魅了した。(中部報道部・溝井洋輔)

アンコールで山城誠美さん作詞の「手のつかえない花嫁」を歌うボニージャックス=8日夜、沖縄市中央・市民小劇場あしびなー

 「手のつかえない花嫁は 花むこを 心をこめてむかえます♪」-。ボニージャックスが歌い終えると300人以上の満席で埋まった会場は拍手に包まれた。

 共演する予定だったが、体調を崩して会場に来ることがかなわなかった山城さん。家族を通して「とても光栄でありがたい。私の詩に曲を付けてくださった当時のことを思い出し、とても感激しています」とのメッセージを寄せた。

 山城さんは県立鏡が丘養護学校(当時)を卒業し、沖縄市のコロニーワークショップ沖縄にいるときにこの詩を書いた。障がいのある人の詩を歌にする企画の全国応募で入選。数年後にボニージャックスのメンバーがコロニーを訪問し、曲を付けることになった。

 作曲家の故中田喜直さんがメロディーを付け、ボニージャックスの歌声で1996年6月にCD化された。年賀状の交換を30数年続けるバリトン担当の鹿島武臣さん(84)は、共演できなかったことを惜しみつつも「初めて会ったときからとても明るい印象。非常に素直な詩ですよね」と感慨深げに話した。

 持ち前の性格の明るさが周囲を和ませるという山城さん。当時を振り返りつつ、近況についても本紙にメッセージを寄せた。「障がいがあってもいろいろなことができるというメッセージを伝えたかった。結婚はしていないが、家族やヘルパーに囲まれて幸せな日々を送っている」

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手のつかえない花嫁

           山城誠美

 あなたのこと好きだけど

 「あきらめます」と

 あの人につたえてください

 小鳥さん

 私は あの人を困らせる花嫁に

 なりたくないんです

 そうじ 洗濯 料理など

 なにもできません

 手のつかえない花嫁は

 花むこを苦しめるだけなんです

 私はまちがってました

 「花嫁に」と

 あの人につたえてください

 小鳥さん

 あの人がこんな私を必要とする

 花嫁になれるのなら

 あたたかい心だけは

 だれにも負けません

 手のつかえない花嫁は

 笑顔がいっぱいです

 手のつかえない花嫁は

 花むこを

 心をこめてむかえます

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