【久高泰子通信員】「アジアにおける平和と団結の行動。済州島と沖縄の基地」をテーマにした講演討論会がこのほど、パリ16区「協会会館」で開催された。約50人の平和活動推進者が参加。熱心に聴講し、討論した。世界の平和を目指して活動するパリ「ソリダ」団体と「仏国-南北朝鮮の友好協会(AAFC)」の共同企画。

基地問題について討論する(右から)ベイユベール氏、、クエンツマン氏、クエヌディ氏、ブシャール氏=パリ16区の協会会館

 AAFC副会長のブノワ・クエヌディ氏は開会のあいさつで「アジアで緊張が高まり、世界的紛争になりかねない中、好戦的政治志向に対抗するため、世界規模での反体制連帯が必要」と述べた。

 仏国科学研究所センター名誉所長のパトリック・ベイユベール氏は「日米安保条約における沖縄。歴史に終わりなき沖縄」と題して講演。

 ベイユベール氏は地理的位置と琉球王国時代から薩摩侵攻、廃藩置県による沖縄県設立などを説明。島ぐるみ闘争や日本復帰などに触れ、辺野古新基地建設やその反対運動などの経緯を大浦湾に生息するジュゴン等の映像とともに歴史的に解説した。

 日本の面積の0・6%の沖縄に、75%の米軍専用施設が集中する現状を挙げ、「翁長雄志知事と多数の県民が辺野古基地反対にもかかわらず、日本政府の態度は無変化。民主主義、平等、相互の尊敬の念は沖縄には適用しない不当感がある」と述べた。

 「ソリダ」会員のオリヴィエ・ブシャール氏は「済州島における海軍基地建設」をテーマに、韓国でも辺野古と類似の非民主的な政策が決行されている例を紹介。ユネスコの自然環境遺産登録の地で、9種の絶滅途上にある生き物やサンゴ礁が生息する海上に、90%の反対者の民意を無視して、基地建設したことを説明。米国との連帯を強化し、建設会社と手を組む政権は「米国のためではなく、中国や北朝鮮のミサイルから韓国を守るため」と話した。

 AAFC事務局長のパトリック・クエンツマン氏は「欧州からアジアまで、独立運動と平和の保障のために、軍事同盟からの離脱」と題して、シャルル・ド・ゴール第18代仏国大統領の例を挙げ、政治家たちの意志さえあれば基地撤廃は可能と強調した。

 「韓国と日本は中国と米国対立の被害になってはいけない。今米国は日本と韓国との三国同盟を強化し、アジアのNATO設立を要望している。北朝鮮の核開発は東アジアに勢力を張りたい野望の米国タカ派との絶え間ない緊張の結果であり、原因ではない」と指摘した。

 聴衆者からは、辺野古問題は「沖縄への差別であり、他にも朝鮮人に対する差別意識が日本には存在する」「沖縄は第2次大戦中も犠牲にされた」などと沖縄への差別を指摘する意見が相次いだ。